オリンパスとソニー提携へ。コンパクトデジカメなどで協業


 オリンパスとソニーは28日、資本・業務提携契約を締結したと発表した。カメラ事業と医療事業で協業する。ソニーは、約500億円でオリンパス株の11.28%(議決権割合では11.46%)を取得し筆頭株主になるとともに、取締役1人をオリンパスに派遣する。

 カメラ事業では、オリンパスがカメラ用レンズや鏡枠などをソニーに供給する一方、ソニーはイメージセンサーなどをオリンパスに供給する。主にコンパクトデジタルカメラ領域で基幹部品の取引を行なう。「さらに競争力を加速するためには、キーデバイスであるイメージャーや画像関連機器などの強化が課題だと認識している」(オリンパス)。

 医療事業においては両社で合弁会社を設立し、オリンパスが有する光学技術、ブランド力、技術開発力と、ソニーが有するデジタルイメージング技術などを組み合わせて競争力のある新製品を創出する。

 オリンパスは複数社と提携交渉をしていたが、イメージセンサーや画像関連技術に強みを持つソニーとは補完関係にあり、相乗効果によるメリットが大きいと判断した。オリンパスの笹宏行社長はこれまでに、「ソニーはCMOSセンサーの分野ではおそらく世界一だ」と述べるなど、ソニーの技術を評価していた。加えて、長年の取引を通じた信頼関係があったこともソニーを選んだ理由の1つだとする。

 なお、3月に発売したレンズ交換式デジタルカメラ「OLYMPUS OM-D E-M5」には、ソニー製センサーが採用されていることが明らかになっている。

ソニー製センサーを搭載するOLYMPUS OM-D E-M5

 現在のオリンパスの筆頭株主は、ともに株式の4.89%を所有する日本生命保険相互会社と三菱東京UFJ銀行。また、現在ソニーが持つオリンパス株は0.04%(議決権割合)となっている。





(本誌:武石修)

2012/9/28 19:27