パナソニック、F1.4からのズームレンズを搭載した「LUMIX DMC-LX7」

~新色ホワイトを用意。絞りリングを装備

 パナソニックは、コンパクトデジタルカメラ「LUMIX DMC-LX7」を8月23日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は6万5,000円前後の見込み。カラーはブラックとホワイト。

 同社が18日に海外で発表済みの製品。国内での発売日が決定した。いわゆる高級コンパクトデジタルカメラ「LUMIX DMC-LX」シリーズの5代目に当たる。ターゲットは「写真の表現力を高めたい、クリエイティブ性を求めるユーザー」(同社)。

 DMC-LX7は、「LUMIX DMC-LX5」(2010年8月発売)の後継モデル。35mm判換算の焦点距離24-90mmのレンズは、クラス最高というF1.4-2.3の明るさを実現した。レンズ銘も従来機の「LEICA DC VARIO-SUMMICRON」から「LEICA DC VARIO-SUMMILUX」になった。

 レンズ構成はEDレンズ2枚(うち1枚は両面非球面)を含む10群11枚。5枚(9面)の非球面レンズも採用した。搭載した非球面レンズの最薄部は0.3mm。世界最高精度という1/1万mmを3次元で計測できる技術により、最薄部0.3mmの非球面レンズを生産することでF1.4のレンズユニットを実現したとする。望遠端でもF2.3と同クラスでは比較的明るいのも特徴となっている。ステップズームも利用できる。

 レンズにはナノサーフェスコーティングを施した。光学式手ブレ補正機構も内蔵する。3段分のNDフィルターを搭載しており、背面の「ND/FOCUS」レバーで操作できる。超解像ズームは従来の5倍から7.5倍まで対応するようになった。

 撮像素子は1/1.7型有効1,010万画素のマルチアスペクト対応MOSセンサー。パナソニックでは「新・高感度MOSセンサー」と呼んでいる。RAW記録も可能。従来モデルは1/1.63型有効1,010万画素CCDだった。

 レンズ部根元に絞りリングを新設した。加えて、背面にはND/フォーカスレバーとジョグダイヤルも装備。ND/フォーカスレバーでは、NDフィルターのON/OFFおよびAF合焦後の細かいフォーカス調整が可能。鏡筒のアスペクト切り替えスイッチなどは前モデルから踏襲している。ポップアップ式ストロボも内蔵する。

 プログラムAEモードでNDフィルターを活用するモードを新たに2つ設けた。「開放優先モード」は、絞りを開放にしてより背景をよりぼかせるモード。

 もう1つの「解像優先モード」は、レンズの解像性能をより発揮できる絞り値が選択されるモード。この絞り値において輝度限界を超えると内蔵NDフィルターが自動で有効になり、シャッター速度3段分まで当該絞り値を維持できる。さらに輝度が高くなった場合や暗すぎる場合は、プログラム線図に則って絞り値が変更される。

 エフェクト機能「クリエイティブコントロールには露光中にフォーカスレンズを動かすことで、被写体の輪郭をぼかした柔らかい印象の写真になる「露光間デフォーカス」と、露光中に小絞りから開放絞りに動かすことで、溶けるようなぼけを表現できるという「露光間絞り」が加わった。

 従来からのポップ、ジオラマ、セピア、レトロ、ハイダイナミック、ハイキー、ソフトフォーカス、インプレッシブアート、クロスフィルター、トイカメラ、ダイナミックモノクローム、クロスプロセス、ワンポイントカラー、ローキーも利用できる。

 なお、今回からインターバル撮影機能を搭載した。

 オプションのEVF「DMW-LVF2」(約144万ドット相当)が利用可能。専用本革ケース「DMW-CLX7」も用意する。フィルターアダプター「DMW-FA1」を利用すれば、37mm径のレンズフィルターが利用できる。

 動画は1,920×1,080ピクセル 60pのAVCHD Progressive。最高ビットレートは28Mbps。フルHDでMPEG-4の撮影も可能となっている。また120fpsのハイスピード動画も撮影できる。

 専用ケース「DMW-CLX7」を8月下旬に発売する。カラーはブラックとホワイト。

製品名LUMIX DMC-LX7
撮像素子1/1.7型有効1,010万画素マルチアスペクト対応MOSセンサー
レンズ24-90mm相当(35mm判換算)F1.4-2.3
最短撮影距離1cm(広角端)
30cm(望遠端)
手ブレ補正レンズシフト式
感度ISO80-6400
ISO12800(画素混合)
露出プログラムプログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出
測光方式分割、中央部重点、スポット
シャッター速度250-1/4,000秒(全モードあわせて)
液晶モニター3型約92万ドット
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード
連写速度約11コマ/秒(12コマまで)
動画記録AVCHD(1,920×1,080・60p)など
バッテリーリチウムイオン充電池
撮影可能枚数約330枚
外形寸法110.5×67.1×45.6mm
質量約269g(本体)
約298g(バッテリー、メモリーカード含む)

【2012年7月31日】「解像優先モード」について補足しました。

【2012年7月30日】記事初出時、本文に「ND/フォーカスレバーでは、NDおよびAR後のフォーカス調整が可能。」とありましたが、正しくは「ND/フォーカスレバーでは、NDフィルターのON/OFFおよびAF合焦後の細かいフォーカス調整が可能。」です。





(本誌:武石修)

2012/7/25 14:05