夏こそ「防水デジカメ」のススメ(渓流・キャンプ編)


 防水デジカメが活躍するシーンは、「海」だけではない。やはり夏のイベントといえば「山」も忘れてはいけない。夏の登山だけでなく、キャンプや渓流下りなど、山へ行くシーンも増えるのが夏。そんな時でも、防水デジカメは役に立つのだ。

 防水デジカメが活躍するシーンを求めて、千葉県の養老渓谷に向かった。お供は前々回前回と同様、富士フイルムの防水デジカメ「FinePix XP150」と「FinePix XP50」だ。


水遊びしながら写真も撮影

 養老渓谷には、落差30mの粟又の滝やハイキングコース、温泉などがあり、周囲にはキャンプ場も整備されている。登山とまではいかなくても、気軽に緑豊かな渓谷を楽しむことができる場所だ。

 渓流は涼しげで、滝の間近は気持ちがいい。緑が強い日差しを遮ってくれるとはいえ、それでも歩いていると暑い。思わず水に触れたくなってしまうが、そんな時でも防水デジカメがあれば安心できる。

 川遊びをする子供を撮るにしろ、滝壺に近づいて撮影するにしろ、濡れたときの心配をしないで撮影できるのは安心。水中やその近辺の生き物を撮影してみたり、水面ギリギリからの写真を狙ってみたり、構図もさらに自由だし、子どもに渡して撮影させてみてもいいだろう。


思わず川に落としてしまっても、流されない限り大丈夫。防水・耐衝撃性能を持つ防水デジカメならではだ

 渓谷の移動では、濡れて地面が滑りやすくなっていたり、急勾配の坂を下りたり、注意が必要な場合もあるが、タフな防水デジカメなら、多少の衝撃でも壊れないのも安心だ。

 渓流下りをする場合でも、水はねを気にせず撮影できるので、撮影の幅が広がる。XP150なら、フルHDの動画で水際まで寄って迫力のある映像を撮ることもできる。ラフティングのような激しい水しぶきがあるような場合にも持ち出して、流れの落ち着いた場所で撮影する、といったことも可能。もちろん、カヌーで激流下りをしていて転覆してしまっても、カメラが濡れて壊れる心配は不要だ。

渓流は涼しく、フォトジェニックな光景に出会えるスポット。カメラはぜひ持っていきたい。FinePix XP50 / 約5.8MB / 4,320×3,240 / 1/30秒 / F4.4 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 7.7mm
養老渓谷の主役ともいえるのが、この粟又の滝。FinePix XP150 / 約5.8MB / 3,240×4,320 / 1/340秒 / F4.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 20.2mm
ときには水につけて、川底の様子を撮るのも面白い。FinePix XP50 / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/180秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm


使える場面がとにかく多い

 山中で撮影する場合、XP150であれば「シーンぴったりナビ」やシーンモードの「風景」で撮影すれば、遠景までくっきりと写って見栄えがいい。木陰と青空のように、明暗差のある風景を撮りたい場合は、連写した画像を合成する「ダイナミックレンジ優先」も便利だ。


渓流は明暗差が大きい場面に良く出くわす。そんなときは「ダイナミックレンジ優先」(機種によってはHDRなど)を使うと、白とびや黒つぶれを抑えられる。写真はダイナミックレンジ優先OFF
こちらはダイナミックレンジ優先ON。白とびが抑えられた。FinePix XP50 / 約3.3MB / 3,072×2,304 / 1/220秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm

 山の頂上のような広く抜けた場所や、滝壺のような一定の広い場所であれば、「ぐるっとパノラマ」撮影を使って、広さを強調した撮影もしてもいい。特にXP150やXP50では、360度の景色を一度に撮影できるので面白い。


旅行の記念にぴったりの「ぐるっとパノラマ」。シャッターボタンを押して、カメラを振るだけでパノラマ写真が撮れる。山頂、展望台、河原、砂浜、イベント会場など使い道は多い。FinePix XP150 / 約2.7MB / 6,720x880 / 1/400秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm

 今回は、渓谷に加えてキャンプ場にも行ってみた。キャンプといえば、一大イベントがバーベキューだ。深い緑の中、炭に火をつけ、鉄板に肉や野菜を並べて焼き上げ、友だちや家族と楽しく食べる。ぜひとも写真におさえておきたいシーンだ。

 キャンプのバーベキューでは、調理時の水はねもあるだろうが、料理を撮影するときの油はねも気になる。いかにタフな防水デジカメとはいえ、火に近づけるのは避けるべきだが、はねた油がつくことは結構あるものだ。そういうときでも防水デジカメなら、直接水で洗えるというメリットがある。

ふもとのスーパーで買ってきた食材で、バーベキューを楽しむ。少々の油はねなら、水洗いで何とかなるのも防水デジカメのメリット。FinePix XP50 / 約5.8MB / 4,320×3,240 / 1/15秒 / F4.6 / 0.0EV / ISO400 / WB:オート / 9.5mm

 テントで寝る場合、特に高原キャンプなどでは、かなりの夜露が出る。カメラを屋外に放置することはないだろうが、万が一と言うこともある。翌朝、夜露に濡れた森に分け入って撮影をする、といった要求にも、防水デジカメなら応えられる。

 また、山の天気は変わりやすいというが、実際に急速に天気が荒れて雨が降る、というのはよくある。とっさの雨も、防水デジカメなら問題ない。強い雨にびしょ濡れになって、ポケットのデジカメが壊れてしまう……なんてこともないのが防水デジカメだ。登山中なら、レインウェアを着て雨をしのぎつつ、雨の中でもそのまま撮影できるのも嬉しい。

 防水デジカメは、「水中で使える」ことだけが魅力ではない。使用してみると、水中以外でも「使える」シーンが多いことが分かる。実今まで撮影を諦めていた場面がけっこうあったのだと、再認識するぐらいだ。

 夏が終わっても、冬の雪山登山、スキー・スノボといったアクティビティにも連れて行ける。むしろ、そういった「特別なイベント」の時だけでなく、普段の撮影でも汚れや水を気にして撮影できないシーンというのはあるものだ。1台持っていると、撮影シーンが広がるカメラ、それが防水デジカメだ。その魅力を改めて実感してほしい。




(小山安博)

2012/7/20 11:19