ソニー、第2四半期は業績好調、営業損益を上方修正


 ソニー株式会社は30日、2009年度第2四半期の連結業績を発表した。業績が想定を上回ったとし、通期の営業損益を上方修正した。

 第2四半期の売上高および営業収入は1兆6,612億円(前年同期比19.8%減)。営業損失は326億円(前年同期は110億円の営業利益)、純損失は263億円(前年同期は208億円の純利益)。

 ただしソニーが業績評価の一環として用いる持分法による投資利益および構造改革費用による影響を除いた営業損益で見た場合、営業損益は125億円の黒字になるという。なお、持分法による投資損益は、前年同期比135億円の悪化。ソニー・エリクソン、S-LCDコーポレーションともに損失を出している。

 分野別では、デジタルカメラを含むコンスーマープロダクツ&デバイス分野(CPD分野)が売上高7,999億円(前年同期比36.5%減)、営業利益が89億円(86.7%減)。

 ソニーは売上高の不振について、液晶テレビは価格競争の激化や販売台数の減少を受けたほか、ゲーム向けシステムLSIの単価下落、世界的な景気低迷による販売台数の減少などを挙げている。また、サイバーショットは円高および単価下落の影響を受け、減収となっている。

 なお、当期のコンパクトデジタルカメラの売上台数は520万台。通期では2,000万台を見込む。

 利益面では、減収による売上総利益の現象と円高の影響があったとしている。構造改革費用は前年同期の6億円に対して244億円を計上。構造改革費用をのぞくベースで損益が悪化したのは、ゲーム向けシステムLSI、ハンディカム、バッテリーなど。

 その他の分野は次の通り。ネットワークプロダクツ&サービス分野:売上高3,526億円(24.2%減)、営業損失588億円。B2B&ディスク製造分野:売上高1,246億円(19.6%減)、営業損失24億円。映画分野:売上高1,364億円(30.4%減)、営業損失64億円。音楽分野:売上高1,245億円(146.9%増)、営業利益86億円(692.2%増)。金融分野:売上高2,021億円(100.7%増)、営業利益328億円。

 2009年度の業績予想は、売上高7兆3,000億円、営業損失600億円、純損失950億円。7月時点より営業損失を500億円、純利益を250億円低減した。

 修正の理由として、「CPD分野の通期での営業損益が想定を上回った」、「金融分野の第2四半期の営業利益が想定を上回った」、「構造改革費用の計上見込額を7月時点の想定から約200億円増額した」などを挙げている。

(本誌:折本幸治)

2009/10/30 17:06