FPD International 2009にデジカメ向けパネルが出品


会場のパシフィコ横浜

 フラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2009」が28日、パシフィコ横浜で開幕した。30日まで開催する。時間は10時~17時。入場料は2,000円(事前登録者無料)。

 FPD Internationalは、有機EL、液晶、プラズマなどのフラットパネルディスプレイと、その製造機器や部材の総合展示会。テレビや携帯電話用の展示がメインの中から、デジタルフォト関連の展示ブースを紹介する。

シャープ

 富士フイルムのデジタルフォトフレームにパネルを供給しているシャープは、デジタルフォトフレーム用という10.2型のTFT液晶パネルを展示。解像度は1,024×600ピクセルで、広視野角と高コントラストを特徴とする。色再現率はNTSC比64%。

 デジタルフォトフレームに採用されるパネルは二極化が進んでおり、より高画質を目指したものと、よりローコストを目指したものがある。シャープの担当者によると、日本のパネルメーカーはローコストではなく高画質を目指す方向にあるという。

デジタルフォトフレーム用の10.2型液晶パネル

日立ディスプレイズ

 日立ディスプレイズは、不要反射を低減する「ハイブリッド構造」を取り入れた2.99型960×240ピクセルのIPS-Pro方式液晶モジュールを展示。現在開発中の製品で、デジタルカメラ用としていた。輝度は550cd。コントラスト比は1200:1。

 同じくIPS-Pro方式を採用したデジタルカメラ用モジュールとして、2.5型640×480ピクセルの試作品も展示。輝度は380cd/m2、コントラスト比は1000:1。色純度はNTSC比70%。

開発中のハイブリッド構造を取り入れた2.99型液晶モジュール。強い光の下でも視認性を確保している試作品の2.5型IPS-Pro方式液晶モジュール

 ハイブリッド構造は、空気層を接着層とすることでフロントウィンドウと液晶ディスプレイを一体化し、界面反射を防ぐことで良好な屋外視認性を確保するという。また、空気層を作らないことで異物のLCD表示部への異物混入も防止する。

サムスンモバイルディスプレイ

 サムスン製コンパクトデジタルカメラ(日本未発売)のディスプレイとしても採用するAMOLED(アクティブマトリクス有機EL)パネルを多数展示。3.7型800×480ピクセルのパネルは、輝度300cd/m2、コントラスト比は100,000:1。色再現率はNTSC比100%。すでに量産を開始している。

3.7型のAMOLEDパネル。NTSC比100%の色再現率を誇る

 開発中の湾曲したAMOLEDパネル「Curved Display」も出品。3.5型800×480ピクセルで、輝度300cd/m2、コントラスト比は100,000:1。色再現率はNTSC比100%。カーブは500R。

開発中のCurved Display。主にスマートフォンやAV機器への採用を見込む

CMO

 屋外でも視認性を確保する「Outdoor Readable LCD」を展示。2.4型240×320ピクセル。強い光源下でも視認性を確保できるとし、主に携帯電話への搭載を見込むが、デジタルカメラへの採用もねらっているという。

環境光の下でバックライトを点灯した状態同じ状況下でバックライトを消灯。まだOutdoor Readable LCDは表示を確認できる

NEC液晶テクノロジー

 昨年に引き続き、ハート型の液晶ディスプレイを展示。駆動回路の分割や重なりを避けることで額縁化を可能にし、自由な形状を実現する「任意形状技術」を用いている。解像度は198×199ピクセル。主にパチンコ台での使用を見込むが、デジタルフォトフレームなどにも利用できるという。

ハート型の液晶ディスプレイシンプルな構造により狭額縁化を実現しているという


(本誌:鈴木誠)

2009/10/29 19:58