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DJI、空撮向けドローン「Phantom 4 Pro」発表

1型センサー、メカシャッターを採用 4/3型センサーのInspireも新型に

DJIは、空撮向けドローンの新製品「Inspire 2」および「Phantom 4 Pro」の2機種を発売する。出荷時期は2016年12月から2017年1月頃の見込み。

Phantom 4 Pro

旧機種「Phantom 4」のカメラを更新したモデル。有効約2,000万画素の1型CMOSセンサーを搭載し、60fpsの4K動画記録が可能。コントローラは、ディスプレイ一体型のコントローラと従来モデルの2つを用意しており、ディスプレイ一体型コントローラとのセットは「Phantom 4 Pro+」として販売する。税込価格は、Phantom 4 Proが18万9,000円、Phantom 4 Pro+が21万9,000円。

カメラユニットは旧機種から一新されており、レンズは35mm判換算で24mm相当の単焦点。絞りはF2.8からF11まで対応する。レンズ構成は非球面レンズ2枚を含む7群8枚。旧機種では有効約1,200万画素の1/2.3型センサーや、20mm相当、F2.8固定絞りのレンズを採用していた。

新たにメカニカルシャッターを装備したことで、ローリングシャッターによる歪み発生を軽減する。シャッター速度は1/2,000秒。1/8,000秒相当の電子シャッターも使用可能。連写モード(バーストシャッターモード)では14コマ/秒の連続撮影ができる。

静止画RAWの画像形式はDNG。最高感度はISO12800。

動画記録ではコーデックにH.265を選択可能。ビットレートは100Mbpsでの撮影が可能になった。

飛行中の自動障害物検知・回避機能「Flight Autonomy」では、従来より搭載していた機体前方のセンサーに加えて、後方にステレオ・ビジョンセンサー、左右に赤外線センサーを新設することで、5方向の障害物検知と、4方向への障害物回避が可能になったという。また同センサー群は、GPS信号がない状態でのより正確なホバリング動作にも役立てられている。

機能面ではInspire 2同様にActiveTrackやTapFlyが利用できるほか、コントロールアプリ上で描いた経路の通りに飛行する「Draw」やジェスチャーによってドローンを使った自撮りができる「ジェスチャーモード」などが使える。

最高飛行速度は時速72km。障害物回避に関する諸機能を有効にした状態では時速50kmで飛行可能。飛行可能時間は約30分。飛行可能時の機体重量は1,388g。

Phantom 4 Pro+に付属するディスプレイ付きコントローラ
通常モデルのコントローラ

Inspire 2

旧機種「Inspire 1」から飛行性能と映像処理システムを向上した製品。最高飛行速度は時速108km、静止から時速80kmまで4秒で加速する。税込価格は36万1,000円。

発表時点での対応カメラとしては、マイクロフォーサーズマウントを採用するドローン用カメラ「Zenmuse X5S」および「同X4S」に対応しており、今後も対応機種を拡張する予定。

新規の映像処理システム「CineCore 2.0」を組み込んでおり、5.2Kまでの動画記録に対応。大容量の映像ファイル処理速度も向上しているという。対応フォーマットはCinema DNG、ProRes 422HQ、ProRes 4444XQ、H.264、H.265など。4K動画記録時の最大ビットレートは100Mbps。

飛行性能面ではこのほか、毎秒7mの上昇と、毎秒9mの下降が可能。また、障害物の検知と回避を自動的に行なう機能も搭載する。前方最長30m、上方最大5mまでの障害物を検知し、狭い空間で稼働する際の安全性を確保している。制御可能な姿勢角度は20度。時速54kmで飛行している場合でも障害物の回避が可能。

撮影時の機能としては、ロックした被写体を画面内に据えたまま追跡して撮影し続ける「スポットライトプロ」が利用できる。カメラがジンバルの回転制限角度に達しても、機体の向きを変えて撮影し続ける点がメリット。

このほか、被写体を認識して周囲を旋回もしくは並走する「ActiveTrack」、タップした被写体を中心に据えたまま指定した方向へ飛行する「TapFly」、飛行開始位置まで自動的に帰還する「Return To Home」(RTH)などが使用できる。

バッテリーを2つ搭載するデュアルバッテリーを採用しており、どちらかのバッテリーに不具合が生じた場合でも、片方のバッテリーが稼働して安全性を確保する。また、使用時の温度が-20度を下回ると、バッテリーが発熱してシステム稼働可能な温度を維持するという。

飛行可能時間は約25分(X5S使用時)、約27分(X4S使用時)。カメラ非搭載での飛行可能時の機体重量は3,290g。離陸可能な最大重量は4,000g。

飛行イメージ(X5S接続時)
上部赤外線センサー
下部ステレオ・ビジョンセンサー
バッテリーは2基搭載し、飛行時のトラブルに対する信頼性を向上させている