愛犬を屋外でかわいく撮ってみよう!

少しずつではありますが暑さも和らいできましたね。じりじりと照り付ける真夏の太陽の下では難しかった撮影もしやすくなってきました。今回は、ペットを飼っている方必見、屋外で犬をかわいく撮る方法をお教えしたいと思います!

ポートレートっぽく撮る

飼い主が近くにいると走り寄ってきちゃう子は、200〜300mmくらいの長めのレンズを使ってなるべく気が付かれないように撮りましょう。

犬を撮るときも、ポートレートのセオリー通りにピントはカメラに近いほうの目に合わせます。AFエリアモードをカメラが自動でピントを合わせる「オートエリアAFモード」にしていると、カメラはカメラに近い物にピントを合わせたがるので犬の鼻にピントが合ってしまうことがあります。そうならないために、AFエリアモードの設定を「シングルポイントAFモード」にして、一点のフォーカスポイントを使って確実に目にピントを合わせるようにしましょう。

カメラを構える高さはなるべく低く、できるだけ犬の顔と同じ高さまで下がりましょう。そのほうが表情をはっきりと捉えることができます。

また、レンズは望遠側で絞りを開けて背景をボカすようにすると、主役である犬が浮き出るような立体感を出すことができます。背景を大きくボカすコツは、レンズの望遠端を使って、絞りを開放にして、なるべく犬に近付いて撮ります。その時に犬と背景の距離が遠いほど背景は大きくボケます。

走ってくるところを撮る

遠くにスタートラインを設けて、カメラに向かって走ってくるようにセッティングしましょう。犬が疲れない程度に何回か繰り返してベストショットを狙います!

走っているところを撮るときは、犬よりも低い位置にカメラを構えると小さなジャンプもとても大きなジャンプに見えるので迫力が出ます。このときは「シングルポイントAFモード」でピントが合わせにくいようでしたら「ダイナミックAFモード」などの動きモノが得意なAFエリアモードに設定を変えましょう。フォーカスモードは置きピンをしないのであれば「コンティニュアスAFサーボ(AF-C)」が撮りやすいでしょう。

シャッターを切るのは走っている犬が一番高い地点にいるときにしましょう。ふわりと浮きあがって飛んでいるように見えます。このときは連写を使うよりも1枚1枚シャッターを押したほうがその瞬間を捉えやすいです。

真正面の顔を撮る

カメラ目線が欲しいときは構えているカメラのすぐ上でおもちゃを振ったり、名前を呼んだり、面白い声を出したりして犬の興味を引くようにしましょう。

人間だと当たり前すぎる真正面の顔のアップも、鼻の長い犬だと逆に新鮮で面白い写真になります。このときもピントが鼻に合わないように、確実に目に合わせましょう。ピントを合わせる目は両目ともにカメラに並行でカメラからの距離に差がないのでどちらでもいいのですが、この場合は光が当たっている左目のほうが合わせやすいです。

レンズは広角側を使うと歪みが生じてしまうので、50mm前後の標準画角のレンズがおススメです。小型犬でもっと近寄って撮影したいときはマクロレンズを使うとストレスなく撮影できます。

仲良し同士で撮る

カメラのすぐ近くで興味をひきましょう。2頭が同時にカメラに向いた瞬間を捉えられるように何回もシャッターを切ります。20枚失敗しても1枚ベストショットがあればいいほうですよ!
視線があちこちに行っているとまとまりのない写真になります。

2頭以上で撮るときは、犬が見ている方向を合わせるようにしましょう。カメラのほうを見てもいいし、それ以外のところを見てもいいのですが、それぞれがあちこち違う方向を見ていると仲良しっぽくない、なんだか散漫な写真になってしまいます。

ピントは2頭がカメラから等距離にいれば1頭に合わせても両方に合いますので、前後にずれないように被写体とカメラの位置を調節しましょう。

足元と背景にも気を配る

背景の遊具を大きくボカして画面をカラフルにしました。
犬を画面の中央に配置すると下の土が部分が多くなって、色味としてはあまり美しくありません。

外を走り回る犬を撮るときはその足元も構図に入ることが多いでしょう。その足元が綺麗な緑色の芝生やおしゃれなタイルなどならいいのですが、土やアスファルトなどで写真としてあまり美しくないときはなるべく構図に入らないようにして撮りましょう。

例えば、上から撮ると地面の割合はどうしても多くなってしまうので、低い位置から撮って空を入れたり、背景がカラフルな時は足元ぎりぎりで構図を切って上の空間を開けてもいいでしょう。

いつでも撮れるようにしておく

顔にピントを合わせた状態で構えていたのでこんな突発的な動作も捉えることができました。

最後に、元気に動き回って突発的に面白いことや表情をする犬の撮影では、いつでも撮影できるようにカメラの電源は常にONにしておくことをおススメします。

お散歩の間ずーっと付けっ放しにしておく必要はありませんが、芝生が綺麗な公園やカラフルな遊具がある遊び場など、フォトジェニックな場所では少し寄り道をしてみて、その間だけカメラをいつでも撮れる状態にスタンバイさせておくといいでしょう。

シャッターチャンスはその子と一緒にいる時間が長い飼い主さんが一番わかっているもの。動作の癖を頼りに可愛い表情や面白い仕草など、ぜひベストショットを狙ってみてください。

撮影機材:ニコンD5500

(2015/8/26)
(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com