Summit Creative LIFE 信頼のバッグと創作活動の頂きへ

大容量ながら自然の中を楽に踏破できるバックパック

辰野清さんがひとめぼれした「テンジン 45L ジップ バックパック」

カメラバッグとして高い収納力と機能性を有しながら、アウトドア用としても揺るぎない信頼性を備えている。そんなプロダクトを目指して立ち上がった新たなカメラバッグブランドがSummit Creativeです。

頂きを意味するSummitの名を冠する製品が、創作活動の高みを目指す写真家たちを支えています。Summit Creativeブランド製品の魅力をお届けする連載の第1回目は、「テンジン 45L ジップ バックパック」をひと目見て気に入った辰野清さんによるレポートをお届けします。

辰野清

1959年生まれ、長野県出身。インテリアデザイン事業を経営後、写真家としてフリーに。第11回前田真三賞受賞作家(2003年)。豊かな構成力と詩情溢れる作風で、日本の風景表現の物語性を追求している。また講師として多くの写真家を育成している

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年4月号』より転載・加筆したものです。

デザインと機能性を兼ね備え、気室の空間バランスが絶妙

自然が織りなすあらゆる条件を撮影するたびに、理想的なカメラバッグへの願望が込み上げる。それは、使いやすいバッグが体の負担を軽減し、機動性の良いバッグが出合いの瞬間を逃さずに記録する手助けをしてくれることを、身を持って実感しているからだ。

思えば今までその理想を求めてどれだけのバッグを購入したことだろうか。結局のところ理想のバッグは空想の産物で、それぞれに好みが違う写真家の要望をすべて満たしたバッグは実在しないだろうと諦めていた。そんな折、「Summit Creative」という新鋭のカメラバッグメーカーの製品、テンジン 45L ジップ バックパックの存在を知った。

テンジン 45L ジップ バックパック(オレンジ)
価格:6万7,320円(税込)

●SPECIFICATION
外形寸法(W×H×D):33×59×22cm
内形寸法(W×H×D):30×(41+15)×19cm
質量:2.8kg
容量:45L
フロント拡張:7L
収納ノートPCサイズ:16インチ
カラー:ブラック、ブルー、オレンジ
付属品:レインカバー、ウエストベルト、トレッキングポール、取付用ゴムバンド

第一印象は「なんと均整の取れたカッコ良いバッグ! サイズもちょうど良い」という感想だった。これはたぶん皆さんも共感できると思う。使いやすい道具は見た瞬間の印象が良くないとまずは愛着が湧かないもの。言い換えれば使いづらい道具は一見して洗練されたスマートさがない。このバッグは初めて手に持った感触から、防滴、耐磨性を備えた生地の質感と縫製の丁寧さが伝わってくる。そして見た目より軽く感じる質量も、人間工学に基づいた形状や重量配分が優れている証だと言える。

POINT 01|撥水性のある生地で悪天候や水辺でも活躍

420Dナイロン生地は、雨はもちろん、滝や海でのしぶきに対して撥水効果が期待できる。機材取り出し時に前面を地面に置く形になるが、耐摩耗性があるので、渓流の岩場などにも心配なく置ける。汚れもタオルで簡単に拭き取り可能だ。背部のEVA樹脂製バックパットとメイン気室はナイロン生地で仕切られているので水が気室に入らず、ぬれても乾きやすい。

雷滝は裏見の滝で、撮影時は天井からの水滴に苦心する。夕方の低い光でしぶきの光芒を撮影した。撥水性の高いナイロン生地とYKKの防水ジッパーを用いたこのバッグは、置き場所を選ばないので撮影に集中できた
富士フイルム GFX100S/GF20-35mmF4 R WR/20mm(16mm相当)/絞り優先AE(F22、1秒、-0.7EV)/ISO 100/WB:オート
POINT 02|背負ったまま行動しやすい背面の幅
収納容量を考慮するとスリムで、背負ったまま体勢を変えやすい

容量のあるバッグは横幅が35cmを超えるものが多く、歩行時に肘がバッグに当たり自由度が損なわれることがある。また、それを気にして重心バランスを崩す危険性も高まる。本製品は本体の外寸幅が33cmに抑えられているので背中から横にはみ出ず、木道などの細い遊歩道でも左右に振られにくい。背部は緩やかなカーブ状で背中に密着するので、重さも軽減される。

冬晴れの抜けるような青空を背景にカラマツの霧氷が輝いていた。バッグを背負いながら軽やかに歩き風景をスナップする。背中への密着度が高いので天を見上げてもバランスが取りやすい
富士フイルム GFX100S/GF23mmF4 R LM WR/23mm(18mm相当)/絞り優先AE(F16、1/180秒、-0.3EV)/ISO 400/WB:晴れ

また、機材を入れる前の空の状態で、即座にカメラ、レンズを入れたときの配置バランスの良さが想像できた。さらには現場で小気味よく使う自分の撮影姿までもが目に浮かぶ。今まで多くのバッグを使ってきたが、使う前からそこまで気持ちを高揚させてくれるバッグがあっただろうか。

POINT 03|深さが絶妙で収まりが良いメイン気室

メインの収納部は機材がたくさん入るから良いとは限らない。移動時に機材がバッグ内でゴロゴロ遊ばないサイズ感が大切だ。またフードを正しく装着した状態で収納できるのは撮影時の慌ただしさを思うとありがたい。テンジン45Lは通常の機材がすべてピッタリ収まる絶妙なサイズ。上段仕切りはフレキシブルなアルミ製ワイヤーで強化され、重い機材でも仕切りの崩れがない。

深さがあるので標準から広角域のレンズは縦に収まり、効率が良い
POINT 04|アレンジして多目的に使える上部の気室

カメラとレンズのほかに意外と多い荷物がフィルターやホルダーなどの備品。これらは出し入れがスムーズでないと使いづらい。本バッグは上部気室の内寸が実測で28×12×15cm(幅×高さ×奥行き)と広く、角型フィルターを縦置きで4枚、角型ホルダーや円形フィルターを10枚ほど入れてもまだテレコンが入る十分なスペースが確保できる。

フィルター専用の肩掛けショルダーなどを別に持つ煩わしさが解消され、移動時の安全性も保てるわけだ。取り出しやすい上部気室にレンズ付きのサブカメラを収納するなどのアレンジも可能で、望遠レンズも別に1本入れられる。

10枚以上のフィルターを収納できる
サブカメラやレンズも入れられる
POINT 05|収納力抜群のフロント拡張機能

マチによるフロント拡張機能は7Lの収納を増やすことができ、不要な衣料などを収納できる。構造が人間工学に基づいたU字型のアルミ製チューブでサポートされていて、重い機材を収納しても歩行時のバッグ自体の横揺れが軽減され、安全性が高い。

マチを広げると7L分収納力がアップ

Summit Creativeブランドの全バッグは機能性と品質、そしてデザイン性を前面に押し出しているが、中でもこのテンジン 45L ジップ バックパックは、自然の中を大型機材とともに歩むカメラバッグとして必要な機能が満たされた仕上がりだ。ぜひ一度手に取って、その性能を実感していただきたい。

辰野清