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EOS 6D Mark IIを愛用する俳優・松重豊さんが「6」の系譜を受け継ぐEOS R6 Mark IIIで撮った
The 6 Sence:特別編
- 提供:
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
2026年2月20日 07:00
さまざまなドラマや映画で活躍する俳優・松重豊さん。多趣味であることでも知られ、車、時計、音楽、大相撲と幅広い。その1つにカメラがある。YouTubeチャンネル「TIMELINE - タイムライン」の松重見聞録では、さまざまな職人を訪ねて自身の一眼レフで撮影する姿も見られる。愛用するのは中判カメラから一眼レフまでこちらも多種多様だが、中でもEOS 6D Mark IIの出番が多いようだ。今回はその6シリーズの系譜を受け継ぐ「EOS R6 Mark III」を手にしてもらった。
1963年、長崎県長崎市で生まれるもすぐに福岡県福岡市に移りそこで覚醒したため福岡県出身を名乗る。蜷川スタジオに入団し、舞台でキャリアを開始。1992年の映画『地獄の警備員』で注目され、以降『孤独のグルメ』シリーズや『カムカムエヴリバディ』、『どうする家康』など、数多くの映画やドラマで活躍。2025年の映画『劇映画 孤独のグルメ』では監督、脚本、主演を務めた
※本企画は『デジタルカメラマガジン2026年3月号』より転載・加筆したものです。このページは2026年3月31日までの期間限定公開となります。
キヤノンオンラインショップ参考価格(税込):42万9,000円(ボディー)、47万8,500円(RF24-105 IS STM レンズキット)、58万3,000円(RF24-105 L IS USM レンズキット)
※上記写真は別売りのRF45mm F1.2 STM(6万6,000円)を装着した例
●SPECIFICATION
撮像素子:約3,250万画素フルサイズCMOSセンサー
画像処理エンジン:DIGIC X
被写体検出:人物/動物/乗り物/被写体追尾(動画)/登録人物優先
フォーカス方式:デュアルピクセルCMOS AF
常用ISO感度:ISO 100~64000
ファインダー:約369万ドット(OLED)
手ブレ補正:レンズ協調:8.5段(中央)
最高連写速度:約40コマ/秒(電子)/約12コマ/秒(メカ)
シャッター速度:1/16,000秒~30秒(電子)/1/8,000秒~30秒(メカ)
記録メディア:CFexpress Type B/SDデュアルスロット
外形寸法(W×H×D):約138.4×98.4×88.4mm
質量:約699g(バッテリー、カード含む)/約609g(本体のみ)
F1.2で風景写真を撮っているときの気分は、俳優の“まつげ”にピントを合わせる感覚
——フィルムのレンジファインダーや中判カメラ、デジタルのコンパクトカメラから一眼レフまで、さまざまなカメラを愛用されている姿を目にしますが、まずは松重さんとカメラの出合いから教えていただけないでしょうか?
松重 :実はそんなに古いわけじゃないんです。カメラを意識し始めたのは、映画やドラマの仕事をしてからですね。当然、現場にはスチルやムービーのカメラマンがいて、そうした人たちが写す姿を見て、写真として残しておくことの面白さを感じたんです。あと、映画の現場では主役でない限り、割とロケ先で自由なことが多く、初めて訪れた土地の商店街を歩いてみたり。そんなことで普段からカメラを持ち歩くようになりました。カメラマンにこんな場所があったよと見せ合ったりして。知らず知らずにだんだんとカメラも増えて、写真好きを意識し始めたという感じですね。
——カメラで写真を撮ることの魅力は、どんなところにあると思いますか?
松重 :シャッターを切るという、その行為自体にカタルシスがあるように思います。物理的なメカシャッターであっても、デジタルの電子シャッターでも「カシャッ」という音がする。ファインダーでのぞくということの面白さ。ピントが合っていないアウトフォーカスしたものが一瞬でクリアーになる。たぶん自分の目の衰えというのもあるでしょうが、年齢と共にどんどんクリアーさが失われていると思うので、クリアーに見えることに強い憧れがあるんだと思います。
——今回、松重さんからはRF24-105mm F4 L IS USMとRF45mm F1.2 STMの2本のリクエストがありましたが、それぞれの使用感を聞かせていただけませんか?
松重 :24-105mmのF4はEOS 6D Mark IIに装着して、普段からよく使っています。映画のロケハンのときなど、とにかく歩いて撮りたいときに便利なんです。ここからツーショットで撮ったら面白いかなとあれこれ考えるのが楽しい。映画ではシネレンズで撮影しますが、このレンズだと1本でいくつもの画角をカバーできるので、ここから35mmでとか、ここからは85mmで少し寄ってとか位置と焦点距離を合わせてみたりします。
——結果的に選んでいただいた作品は、すべてRF45mm F1.2 STMで撮られたものでした。
松重 :僕は昔からのカメラ好きで、いろんなレンズを撮り比べてということではないので、果たして自分がオールドレンズのことを理解しているかと言えばよく分からない。実際、周辺部の収差とかも映画の大きなスクリーンにしたときには分かるだろうけれど。1つ1つの画質を追い求めていけば、おそらく大きく重たくなってしまいますよね。そんなことよりも、この価格でとびきり明るいF1.2と聞いたら、もうこれだけでいいんじゃないかと思ったんです。
開放F1.2という明るさでありながら、約346gという軽さが魅力のいま最も注目されている単焦点レンズ。標準レンズとされる50mmよりもわずかに広い45mmという画角を採用。ポートレートやスナップ、風景写真など幅広いシーンに対応する。F1.2としては破格の価格設定ということもあって、生産の供給が追いつかないほどの人気ぶり。フルサイズ機「EOS R6 Mark III」とのバランスも最適。約3,250万画素へと高画素化したことで1.6倍クロップによる72mm相当のレンズとしても使いやすい。
——空気が凜と張り詰めたような、すてきな冬の風景写真ですが、どのようなロケーションなのでしょうか?
松重 :僕の山小屋があるんですが、仕事のないときはそこにこもっています。その近くに人があまり来ない、ひっそりとした遊歩道がありまして、そこが最高にいいんですよ。本当に寒い日だったんですが、EOS R6 Mark IIIにこのRF45mm F1.2 STMを付けて1日中、森の中を歩きながら撮影をしてみました。手がかじかんでしまいレンズ交換をするときに落としてしまったら大変だと思うぐらいに寒かったことを覚えています。
——この場所で撮影をしているときに感じたエピソードがあれば聞かせていただけないでしょうか?
松重 :ゆっくりと歩きながら写真を撮っていたら池から湯気が出ていることに気付いたんです。なんだろうと思って湯気が出ている付近を手で触ってみると少し温かい。もしかしたら、温泉が出ているのかもしれない。カメラを手にしていなければ、通り過ぎてしまったような小さな変化。写真の楽しさって、そういう変化を見つけたときに強くなるような気がします。
——開放F1.2によるボケが印象的な写真を多く撮られているようですが?
松重 :せっかくの大口径レンズですから、やっぱり開放で撮ってみたくなりますよね。浅いピントで合わせたくなるといえば、やっぱり女優さんの“まつげ”じゃないですか。風景の中で何を自分が見ていたのか、それをボケが優しく包み込む。小川をまたぐような小さな草木、苔むした倒木に落ちた枯れ葉、風に揺れるススキ。それらを女優に見立ててカメラでテストするような感じです。どういう位置からどんな角度で、どんな光の中で撮ったら美しいだろうかとあれこれ考えているので、最終的には映画の1シーンにつなげていこうという下心があるのかもしれませんね(笑)。
約3,250万画素に強化された最新モデルは、1.6倍クロップでも使えるのが便利だった
——1.6倍クロップを使われて72mm相当にしている写真もいくつかありました。
松重 :単焦点のコンパクトカメラでもクロップ機能を使うことがあります。EOS R6 Mark IIIは3,250万画素に解像度もアップしたと聞いていたので、こんな使い方もできるんだろうと思いました。ファインダーでもクロップした結果で見ることができるのは、光学ファインダーにはない、EVFならではのメリットなんでしょうね。
——さまざまな趣味を嗜む松重さんにとって写真にはどんな魅力があると思いますか?
松重 :モノを作るとか、何かを表現することに究極の憧れを感じます。僕には絵を書く才能もないですし、音楽を作る才能もありませんが、カメラだったらもしかしたら、それらに近づくことができるんじゃないかと。俳優の仕事もちょっと似ていると思うんです。例えば、3歳の子どもが「うん」とうなずくシーンがあって、それが演技を超えて人々の心を打つような表情になったりする。いかにそのリアルを切り取れるかということ。もちろん、高い技術があるからこそ成し得る写真があることも分かりますが、素人の1枚に打ちのめされる写真もあると思うんです。リアリティーというものでプロの写真家と対峙できるのが写真なんじゃないかと。
——スマートフォンではなく、本格的なカメラで写真を楽しむことの魅力について教えていただけないでしょうか?
松重 :僕らは職業柄、被写体となることが多いわけです。もちろん仕事であれば良いのですが、それがプライベートであっても、「写真、いいですか?」と相手の返答を聞く前にすっと手を出して顔の前にスマホを向けてくる。それに対して、僕は違和感があるんです。まずは「写真を撮らせてもらってもいいでしょうか?」と言って、相手の了承を得てから、カメラを構えてファインダーでピントを合わせて、ゆっくりとシャッターを切る。ファインダーをのぞいて撮るという気持ち、そしてその行為が僕の中で写真を撮るということなんだと思います。
——今後のカメラに期待することがあれば、最後に教えていただけないでしょうか?
松重 :すべてが便利になっていくことは良いことだと思うんですが、趣味の世界は少し違うような気がします。少しぐらいは不便なところが残っている方が楽しいように思うんです。カメラも手で操作をして、絞りを決めてシャッター速度を決めて、焦点距離やアングルを考える。手と足を使って1枚の写真と向き合う。若い世代にもフィルムカメラやレコードが再び脚光を浴びているようにアナログ要素のプロセスがあっても良いかもしれませんね。RF45mm F1.2 STMはそんな匂いを感じます。このボディに合わせたときにサイズ感はやっぱり魅力的ですからね。
松重さんの「少しぐらい不便な方がいい」という言葉が印象的だった。カメラは手で操作して写真を楽しむもの。機械の自動制御に助けられることも多いが、撮影者の意図をマニュアル操作で伝えるからこそ、思い通りに撮れたときの感動も強くなる。俳優という職業柄、松重さんは被写体となることも多い。むしろ、そちらが本職だ。一方でカメラを手にしたときは撮影者となる。撮られる側と撮る側の両方を経験しているからこそ、「人物であっても風景であっても、被写体に対して撮らせてもらっているという気持ちが大切」という言葉が重く感じられた。EOS R6 Mark IIIで撮影された、凍てつくような寒さを感じながらも優しく凜々しい冬の風景たち。そこには松重さんの被写体に対する愛情が強く込められているように感じた。(聞き手:デジタルカメラマガジン編集長)















