特別企画

クリップオンストロボで多灯ライティング!! 「FUJIFILM X-E2で撮る 女性ポートレートステップアップ講座」体験記

X-E2の内蔵ストロボをコマンダーにして、クリップオンストロボEF-X20を4灯使った多灯ライティング撮影を行ないました。

 3月5日、3月19日に新宿・富士フォトギャラリーで、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-E2」とクリップオンストロボ「EF-X20」を使った、女性ポートレートの撮影講座が開催されました。

 講師はXシリーズのカタログでポートレートを担当しているmick park先生。撮影と講評がセットになった全2回の講座の様子をレポートします。

講師のmick park先生。FUJIFILM X-Pro 1のオフィシャル写真家としての開発、カタログ撮影やCP+などに写真作品を提供するなど、ご活躍されています。

 女性ポートレートステップアップ講座は、ミラーレスカメラのFUJIFILM X-E2と中望遠レンズXF 56mm F1.2 R、クリップオンストロボEF-X20が貸出されます。参加者の中には、ご自身のX-E2を持ってきていた方もいました。

 今回の多灯ライティングは大がかりなストロボを使うのではなく、X-E2の内蔵ストロボをコマンダーに使い、ガイドナンバー20のクリップオンストロボEF-X20をワイヤレス発光させるというもの。

 基本のカメラの設定は、シャッター速度:1/60秒、絞り:F1.2、ISO感度:ISO800、ホワイトバランス:5,000Kにして、内蔵ストロボの設定は「コマンダー」を選びます。内蔵ストロボをコマンダーモードにすることで、内蔵ストロボに同調してクリップオンストロボが発光します。

参加者みんなで光をクリエイト

 カメラの設定や白レフ・銀レフ・黒レフの効果の違い、ストロボのハレ切りの方法を教わったら、いよいよモデル撮影です。

 今回の撮影は撮影する人が1名、クリップオンストロボEF-X20を持つ人が4名、レフ板や黒布を持ちながら見学する人3名の役割を順番で交代しました。

 撮影前に、mick先生から以下のようなモデルさんを撮影するアドバイスをいただきました。

(1)撮影前にモデルさんに必ず挨拶をすること

→撮影前に挨拶があるかないかで、モデルさんの表情が変わるそうです。

(2)粘らず、少ないカットでベストショットを撮る気持ちで撮ること

→最初のカットのほうがよい表情のことが多いそうです。モデルさんが疲れないように気遣うことも大切です。

撮影する人がモデルさんにポーズや、周りの人にストロボの位置やレフ板の当て方を指示していきます。
撮影する生徒の指示とmick先生のアドバイスに従って、みんなで光を作っていきます。クリップオンストロボは小さいので、左手を添えるとハレ切りになります。
わからないときは、撮りたいイメージをmick先生に伝えると、先生がライティングの組み方を教えてくれます。
mick先生も黒布と外部ストロボを持ち、ライティングを作っていきます。
逆光でフンワリしたイメージを作るため、バック紙の後ろから3台のストロボで光を当てました。
役回りが一巡したら、ベストショットを背面モニターに表示して、みんなで見せ合いました。

ライティングで作品が変わる!

 撮影が1巡すると、モデルさんが衣装を変えて2巡目が始まりました。

 一度、撮影や撮影補助を経験すると、ほかの人のライティング方法を見て刺激された方も多いらしく、2巡目は凝ったライティングに挑戦される方が多かったです。

 また、ストロボやレフ板、黒布を協力しながら持っているのでチームの雰囲気がとてもよく、みなさん楽しそうに会話を交わしながら撮影していました。

モデルさんが赤いワンピースに着替えて、2巡目の撮影が始まりました。
2巡目になるとモデルさんのポーズの指示も的確になり、モデルさんに声をかけながら撮影する人が多かったです。
2巡目の撮影画像を表示して、参加者の感想と簡単な講評がありました。

 撮影後に参加者の方から感想をいただきました。

「同じモデルさんを同じ機材で撮影しているのに、光の当て方で写真の印象が大きく変わることに驚きました」

「小さなクリップオンストロボでも複数使うと、本格的なライティングが作れるんですね。参加者全員がチームになって、自分の作品を作り上げてくれることがうれしかったし、自分がストロボを持つ係になるととても勉強になりました」

「ライティングがわからないと撮影したいイメージもわかないが、ライティングがわかるようになると撮りたいイメージの種類が増えていくと思いました」

「自分が撮っていないときも、撮影補助に入るので講座の最中はずっと頭を使っていました。やわらかい光、硬い光、光の方向、反射光などを計算しながら光を作る作業がとてもおもしろかったです」

第2回の講座では……

 第1回の講座が終わると、参加者にはある宿題が出されました。それは今回の撮影とは別に「光を意識してポートレートを撮ってくる」というもの。それをmick先生が順番に講評するというのが、第2回の内容です。

 参加者は2週間後、第1回と同じ場所に集合。第1回で学んだライティングの考え方を取り入れたポートレートを持ちよりました。

 作品のモデルは、子供、奥様、会社の同僚などそれは多彩。工夫を凝らした作品を全員で囲み、和やかに鑑賞しました。mick先生の的確なアドバイスは、皆さんにとって今後の参考になったことでしょう(編集部)。

第2回の様子。プリントを囲んでの講評会。
プロジェクターで作品を鑑賞する時間もありました。

 今回の女性ポートレートステップアップ講座は、毎回好評で抽選になるほどの人気講座です。機材は貸し出されるので、多灯ライティングやポートレート撮影に興味のある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 また、女性ポートレートステップアップ講座を受講し、Xシリーズをお持ちの方を対象とした、スタジオを借りた多灯ライティングのマスタークラスの講座も4月から開始されます。

X-T1で撮る女性ポートレート-マスタークラス(4月25日締め切り)

 参加条件を満たしている方は、よりパワーアップした講座にチャレンジするのも面白いですよ。

(制作協力:富士フイルム株式会社)

加藤マキ子(ツナ☆カメラ)

1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!