オリンパス・ペンライトE-PL2【第6回】

ニューモデル「E-PL3」登場に思うこと

Reported by 北村智史


 1月にE-PL2を買ったばかりだというのに、秋にはもうE-PL3が発売されるのだそうな。しかもそれを6月の終わりに発表である。なんかめちゃくちゃ気が早くないですか。買い控えとか起きちゃったらどうするんだろう。まあ、いらない心配なんでしょうけど。

筆者のE-PL2。レンズはLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.

 で、そのE-PL3だが、思いっきりフルモデルチェンジである。画素数こそ据え置きだが、たぶんファインディテール処理だろうから、画質はばっちり期待していいはずだ。AFは速くなって、最高感度も1段アップして、動画はフルHD。そのうえ液晶モニターは可動式ときたもんだ。なのに、ボディサイズはぐぐっと小さくなって、しかも50gほども軽量化している。すごいです。

 が、気になる点もある。ひとつは、マウント部だけを出っ張らせてボディを薄くしたデザイン処理。公開されている画像からすると、マウント部分の外径は55mmくらいのように思われる。純正のM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8は最大径が57mmだから問題ないだろう。でも、パナソニックのLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.は最大径が63mmもある。サイズの大きなレンズならいざ知らず、薄型のパンケーキレンズでこういう“くびれ”は軽く見苦しいような気がする。E-PL2はグリップ部以外はフラットだから、パンケーキレンズはパンケーキレンズらしく見えるから安心だけど。

開発発表されたOLYMPUS E-PL3。発売時期は今秋を予定チルト式のワイド液晶モニターを搭載する

 それから液晶モニターがワイド化したのも気になっている。たぶん16:9比率なのだろうが、撮像素子のアスペクト比が4:3のマイクロフォーサーズにワイド液晶を搭載するのはどうかと思うのだ。ちなみに、16:9比率の画面に4:3比率の画像を表示すると左右に余黒ができてしまうのだが、その分小さくなってしまう画像のサイズはというと、だいたい2.5型モニター相当なのである。個人的には3:2比率が好きで、だから3:2比率でぴったり画面のE-PL2はツボだったりするのだが、ワイド液晶だと左右に少し余黒ができてしまう。それがちょっとつまらない。

 また、操作性の面でも不安はある。E-PL2は背面のほぼすべてのボタン類を右手だけで操作できる(内蔵ストロボのポップアップスイッチだけは左手が必要)。一方のE-PL3は再生ボタンと消去ボタンが左手側に移動している。これがどれくらい使い勝手に響くかは使う人それぞれということになるだろうが、個人的には右手だけでばっちりなE-PL2のほうが使いやすそうに思う。

 こういうとこらへんはさらにシンプル路線のE-PM1(E-PL3と同日に開発発表)も同じである。進化している部分を見れば欲しい気持ち満点なのだけれど、好みの部分で微妙にそそられない。そんな感じなのだ。

 とかなんとか考えると、E-PL2でいいじゃん、とも思えてくる。AFは速くないけど、普通に撮ってる分には十分に我慢できる。拡大枠AFを使えば測距点の少なさもカバーできるし、画質はファイルディテール処理にはおよばないにしてもローパスフィルター弱めのチューニングだから解像感はそれなりにいい。デザインだって個人的には好きなほうだ。

 だったらぐちぐちいうなよって感じですけど、隣に画質がいいのがあったら気になるのが人情だし、AFが速いって聞くと触ってみたい気持ちになりもする。じゃあ、どうしましょ。ってことになると、話はもう悪だくみモードである。と書けば、たいていの人には意味はつうじるだろう。あとは、カミサンの目をうまくごまかせるかどうかだけ。というわけなので、E-PL2の長期レポートは今回でおしまいであります。

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まったくそういうふうには見えませんけど電柱です。上のほうにはちゃんと電線とかも付いてます。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F8 / 0.3EV / ISO200 / WB:オート / 20mm喫茶店(らしい)の横手の壁面。ちょっとインパクト大です。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm
こっちは正面側。かなりざっくりした積み木っぽい意匠がちょっと面白い。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm近所(歩いて20分くらいだとそんな感じ)の公園で見かけた樹の幹。枯れ木みたいだけれど、まだまだ元気そうに茂ってた。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F4.5 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm
あんまりそれらしく見えないけどポップアートで撮ったカット。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F2.2 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 20mm公園で見つけた建物の壁。ちょっとあやしい雰囲気だけど、子ども向けの施設であるらしい。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/400秒 / F4 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm
公園には小さいながら天文台もある。天気さえよければシーイングはいいのでしょう、きっと。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F8 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm平日だと大きな公園なのにあまり人いなかったりする。天気があまりよくなかったからかも。なにせ曇ると長袖が必要なくらいだし。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / プログラムAE / 1/80秒 / F6.3 / 1.0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 9mm
絞り優先AEとかのよく使う露出モードでアートフィルターが使えるのはやっぱり便利。これもポップアートで撮った。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 20mmすんごい不思議なデザインのこの建物は、あぶり焼きのお店なのだそうな。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 20mm
マンションだと思うけど、色使いがリゾートっぽくて目を引いた。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F4 / 1.0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 20mm観光名所のテレビ塔。東京のを知ってるだけに小さく思えるけれど、それでも150m近くあるらしい。E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F4.5 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光 / 11mm


北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2011/7/21 00:00