Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

使用シーンに応じて3種の組み合わせを操る

鈴木一雄さんがレオフォトの三脚&雲台の使い分けを解説

脚は海水に強い「LA-324CL」、雲台はきっちりとフレーミングを決めるための「GW-01」の組み合わせとし、波打ち際にあるジュエリーアイスに狙いを定める。そして、海水が押し寄せてくるのを待って、シャッターを切った
富士フイルム GFX100/GF23mmF4 R LM WR/23mm(18mm相当)/マニュアル露出(F32、0.8秒)/ISO 100/WB:晴天

写真家にとって最高の三脚は、必ずしも1つとは限りません。鈴木一雄さんは常に3セットの三脚と雲台を現場に持って行き、被写体やシーンに合わせて使い分けているそうです。風景なのか生き物なのか、あるいは撮影地が山なのか海なのかによって、求められるスペックは異なります。今回は、鈴木さんが厚い信頼を寄せる愛用のラインアップと、その使い分けの妙を詳しく紹介していただきました。

鈴木一雄

自然界が発するさまざまな聲を五感で受け止め、その物語を描くことに精力を傾ける。写真集、写真展に『―にっぽん列島―いのちの聲』『聲をきく』『サクラニイキル』ほか多数。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2026年3月号』より転載・加筆したものです。

脚と雲台の組み合わせを増やそう

私は、仕事柄多くの三脚を所有しているが、現在では主に3種類の三脚を使い分けている。脚は「LS-364C」「LA-324CL」「LP-324C」の3種類、雲台は、「GW-01」「G4」「FW-01R」の3種類だ。

私のカメラは重たい中判デジタルカメラが主なので、脚のメインは「LS-364C」とし、海水を含め脚を水に入れる場合は「LA-324CL」または「LP-324C」を使う。雲台については、風景や花などをじっくり撮影するときは「GW-01」を使用し、生き物などの動く被写体に対しては「G4」を使う。また、山を登るときや長時間歩く場合は、「LP-324C」と「FW-01R」の組み合わせとなる。

私は愛車で出かけることがほとんどなので、基本的には3種のセットはすべて積み込んでいく。そして、現場での撮影被写体に応じて使い分けている。今回はそのうちの2種のセットについて詳しく紹介していく。

海辺の風景撮影に欠かせない防水・防砂設計「LA-324CL+GW-01」

LA-324CL
価格:8万9,430円(税込)/全伸長:1,725mm/最低高:85mm/収納高:600mm/段数:4段/最大脚径:32mm/耐荷重:15kg/質量:約1,625g

「LA-324CL」は、伸長172.5cm、質量約1,625gで、耐荷重は15kg。防水・防砂機能が強化されており、海水で脚がぬれても錆びにくいという長所がある。厳冬期の水の中に入れても凍り付いて脚の長さ調整ができないという問題も生じにくい。

脚内部には防水・防砂機構を搭載。水辺や雨天、砂地といった過酷な環境でもメンテナンス性を損なわず撮影に集中できる。石突はゴムタイプから、付属のスパイクタイプに換装できる
GW-01
価格:5万2,800円(税込)/ベース径:58mm/高さ:123mm/耐荷重:8kg/質量:約1,000g

「GW-01」は、3軸すべてにギア調整機能があり、厳密なフレーミング調整時に役に立つ。また、3軸の操作ダイヤルノブを緩めて大幅な構図変更をした場合でも手を離すと自動的にストッパーが効き、望遠レンズなどの重たいレンズが誤ってガクンと頭を下げることもない。

チルト軸、パン軸、スウィング軸の3軸すべてでギア調整が行える。また、樹脂製のノブを回しながら雲台本体を動かすことで、大幅な構図変更がギアを使わずに素早く行える
クランプ部分には水準器が2カ所搭載されている。さまざまなアングルやポジションでも水平垂直の確認が容易になる

風景を緻密に写し撮る質実剛健セット「LS-364C+G4」

LS-364C
価格:6万4,900円(税込)/全伸長:1,800mm/最低高:80mm/収納高:540mm/段数:4段/最大脚径:36mm/耐荷重:25kg/質量:約1,770g

「LS-364C」は、全伸長180cm、質量約1,770g、パイプの太いしっかりした作りで、荷重25kgにも耐え、カメラブレ防止効果も高い。

エレベーター部分を排したことで、軽量化を達成している。エレベーターの干渉もないため、ローアングル撮影も非常にスピーディーに行える
センターポールは付属しており、後付けで高さを稼ぐことができる。高い位置からのハイアングル撮影などにも対応可能だ
G4
価格:9万9,000円(税込)/ベース径:60mm/高さ:108mm/耐荷重:20kg/質量:約760g

前後左右の2カ所の精密調整が可能なギア雲台。大幅に構図を変える操作レバーは、「GW-01」のように自動的にストッパーが効く仕組みにはなっていないが、3軸の操作レバーを緩めたままにすると、生き物などの動く被写体を追いかけて狙うときには、カメラを思い通りに動かせて便利だ。

精密な構図調整を可能にするギア機構を搭載。大型ノブの操作で、重量級機材もミリ単位で正確に追い込める
超望遠レンズで、ダイサギの美しい飛翔を狙う。脚はがっしりした「LS-364C」を使い、雲台はカメラを自由自在に動かすために「G4」を選んだ。ダイサギが飛び立った瞬間から追いかけるように連写した
富士フイルム X-H2S/XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR/352mm(528mm相当)/マニュアル露出(F7.1、1/640秒)/ISO 1250/WB:晴天

車での撮影が多い人は、2種類以上の脚と雲台を用意していくのがおすすめだ。公共交通機関の利用が多い、または体力に自信がない人は「LP-324C」or「LA-324CL」と「FW-01R」or「G4」の組み合わせ、体力に自信がある人は「LS-364C」or「LA-324CL」と「GW-01」(風景写真がほとんどの人)or「G4」(動く被写体を撮ることがある人)の組み合わせを推したい。

今回詳しく紹介できなかったが、「LP-324C」は、伸長130cm、質量約1,440gで、耐荷重は15kg。小型・軽量だが、「LA-324CL」同様に防水・防砂機能を備えている。「FW-01R」は、コンパクトで収納時にハンドルを折りたためる機能も付いている3ウェイ雲台だ。このセットは主に長時間歩くときなど、機動力が求められるシーンで選択している。

鈴木一雄