Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

雨天にも逆光にも心強い風景向け多機能三脚

風景撮影に役立つ装備が詰まった安念余志子さん愛用の「LS-284CTK+LH-36TK+UC-05+AM-5TK」

水の中でも流されない頑強なLS-284CTKは、渓流での撮影で非常に便利だ。自由なアングルに即座に固定できるLH-36TKと組み合わせて、木々の隙間から差し込む光芒を切り取った
FUJIFILM GFX50S II/GF35-70mmF4.5-5.6 WR/42mm(33mm相当)/絞り優先AE(F16、1.2秒、-1.0EV)/ISO 250/WB:晴れ

富山県でスタジオを営みながら自然風景を撮影している安念余志子さん。新たな三脚として導入したのが、写真家仲間の辰野清さんがプロデュースした「LS-284CTK+LH-36TK+UC-05+AM-5TK」だ。風景撮影のフィールドで役立つ機能が満載された三脚の魅力をレポートしてもらった。

安念余志子

富山県砺波市にてスタジオを営みながら作家活動を行っている。カルチャー教室の指導や写真展の開催も多数。内閣総理大臣賞・前田真三賞受賞。日本写真家協会、日本写真協会会員

※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年10月号』より転載・加筆したものです。

アンブレラホルダーが雨天や光芒撮影をサポート

手持ち撮影が多い私だが、光量が少ない朝夕の時間帯や、滝や渓流などの撮影でスローシャッターを使いたいときは、しっかりとカメラを固定できる雲台と三脚が必要不可欠だ。私が三脚を選ぶ条件は、女性でも持ち歩ける軽さで、かつ機材がぐらつかないしっかりとしたつくりであることだ。いくら堅牢な三脚でも持ち歩くのをためらう重さでは困る。

その点で、レオフォトのLS-284CTKとLH-36TKの組み合わせは見た目よりも軽く、かつ水中で流れを受けてもぐらつかないほど丈夫で、両方のニーズを満たしてくれる。

LS-284CTK+LH-36TK+UC-05+AM-5TK
価格:10万5,600円(税込)/全伸長:1,910mm/伸長:1,590mm/最低高:175mm/収納高:630mm/段数:4段/最大脚径:28mm/耐荷重:10kg/質量:1,840g

このTKモデルは、写真家仲間の辰野清さんがプロデュースした三脚で、風景写真の撮影で使いやすいように通常モデルからカスタマイズが施されている。中でも特徴的なのが、傘を三脚に取り付けられるアンブレラホルダーキットUC-05+AM-5TKが付属していることだ。

持ち手を取り外せるタイプの傘や折り畳み傘を付属のホルダーに装着して利用できる。過去にも三脚に挟んで取り付けるタイプの傘ホルダーはいろいろ購入して試したが、どれもグラグラして固定できず使いものにならなかった。

その点、このアンブレラホルダーは頑強で安定している。雨天はもちろん、黒い傘を利用すれば強い逆光での光芒撮影などで必要になるハレ切り用途としても使えるなど幅広く活用できる。

着脱可能なアンブレラホルダーキットはマルチアームのAM-5TKとホルダーのUC-05の2パーツ構成。通常の傘と折り畳み傘のどちらも装着できる。アンブレラホルダーキットを含まないLS-284CTK+LH-36TKもセット販売されている
折り畳み傘などで持ち手を取り外せる場合、付属の傘用アダプターBS-1を装着することでアンブレラホルダーに安定して傘を取り付けられる

三脚の特徴はアンブレラホルダーキットにとどまらない。例えば、三脚本体には六角レンチが収納されていて、アクセサリーの装着をいつでもスムーズに行えるように配慮されている。

三脚本体部分に六角レンチが収納できるようになっているので、三脚のメンテナンスやアクセサリーの着脱をいつでも行える

自由雲台のLH-36TKは手袋を使っていても操作しやすいように通常モデルよりノブが大型化され、滑りにくいようにシリコンカバーも装備。細やかなカスタマイズがスムーズな撮影をサポートしてくれる。

LH-36TKは低重心の自由雲台。TKモデルは特別に明るいシルバーの塗装が施されている
ロック解除時のテンションも調整可能。ノブは大型でシリコングリップも装着されている
LS-284CTK+LH-36TKは、先行登場していたLS-364CTK+LH-47TKと比較して携行性を重視したモデルながら、付属のセンターポールの装着で190cmの高さを確保する。センターポールを使用していなくても160cm弱の高さがあり、アイレベルでの撮影が可能だ
突然出現し、すぐに消えてしまう山の虹は迅速な三脚のセッティングと構図の調整が重要。LS-284CTKは4段タイプでセッティングがスムーズだ。LH-36TKは大型ノブで操作がしやすく、素早く構図を調整できる
FUJIFILM X-T5/XF16-55mmF2.8 R LM WR/32mm(48mm相当)/絞り優先AE(F11、1/8秒、+0.7EV)/ISO 400/WB:晴れ

ちなみにこの三脚との併用におすすめなのが、ミニ三脚のMT-04+LH-30だ。テーブルフォトにも便利な三脚だが、私の使用目的は立山のチングルマの綿毛やレンゲショウマのように丈の低い草花の撮影になる。今までは腰をかがめたり、寝転がったりと無理な姿勢で撮影をしていたが、この三脚を使ってカメラのチルト式モニターを使えば、楽にローアングル撮影ができる。

脚部も雲台もしっかりしていて、脚を広げるとさまざまな角度の撮影も可能。山歩きなどで大きな三脚を持ち歩きたくないとき、バッグのポケットに入れておくのにもちょうど良い。

MT-04+LH-30
価格:3万5,640円(税込)/伸長:225mm(1段目)、305mm(2段目)、370mm(3段目)/最低高:117mm/収納高:252mm/段数:3段/最大脚径:22mm/ベース径:38mm/耐荷重:5kg/質量:630g

MT-04は脚を3段階で折り畳めるミニ三脚。携帯性を維持しつつ、折り曲げた脚をフックのように使うなどフレキシブルに活用できる
丈の低いチングルマの綿毛をミニ三脚MT-04+LH-30を使って撮影。超ローアングルでも体に負担なく長時間撮影できる優れ物なので、いつでもバッグに忍ばせておきたい
FUJIFILM X-T5/XF56mmF1.2 R WR/56mm(84mm相当)/絞り優先AE(F1.2、1/1,700秒、-0.7EV)/ISO 200/WB:オート
安念余志子