Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
夜の航空機写真の質を高める快適装備
ルーク・オザワさんが愛用するビデオ雲台&コンパクト三脚「LQ-324C+BV-15+LB-60N」
2023年7月21日 10:00
美しい旅客機の写真を長年撮り続けているルーク・オザワさん。夜間の撮影では雲台や三脚を適切に導入することで撮影が快適になり、作品の質も上がるという。旅客機をスムーズに追尾するためのビデオ雲台「BV-15」とレベリングベース「LB-60N」、そしてコンパクトかつ多機能な三脚「LQ-324C」の魅力を語ってもらう。
1959年2月、東京生まれ。1973年から羽田でヒコーキを撮り始めて今年で50周年になる。風景とヒコーキを絡めた絵作りには定評があり、これまで手掛けたカレンダーはANAをはじめ350作を越える。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年8月号』より転載・加筆したものです。
夜のヒコーキ撮影を影で支えるスマートな三脚
先般キヤノンから新型のRFレンズが発売され、僕はレンズレビューで羽田と成田の2つの空港で撮影に及んだ。そのレンズとはRF100-300mm F2.8 L IS USM。望遠端300mmでありながらズーム全域での開放F2.8に興味津々だ。というのも、昨今のカメラは高感度撮影時の画質が良くなり、夜の動いているヒコーキもたやすく、そして美しく撮れる時代となったからだ。
これまではRF70-200mm F2.8 L IS USMを夜のメインレンズとして使ってきたが、やはり200mmではヒコーキを撮るには少し物足りなかった。単焦点ではないので、立ち位置に制限が多い空港において、引きと寄りがレンズ交換なしに狙える点もうれしい。そして同等の他メーカーのレンズに比べて軽い点にも食指が動き、速攻で予約完了。
ただし、軽いと言っても重さは約2.6kg。EOS R3に装着すると3kgを越えてしまう。64歳の僕にとって旅客機のゆったりとした動きに対してホールドし続けるのは辛い。地方空港で夜に2~3便撮影するならまだしも、羽田や成田ではピーク時には3分に1機が離着陸する。それ以外にもタキシングやスポットイン・アウトと僕の視界に入って来るヒコーキの動きは目まぐるしい。そうなると、やはり三脚は必須だ。
雲台は瞬時に被写体の動きに合わせることが可能なビデオ雲台を使用している。今使用しているのはBV-10から進化したBV-15だ。動作中の安定感が増し、流し撮りがしやすくなっている。
土台となる三脚はLQ-324C。一見すると脚は細いが、安定感がありエレベーターも備わっているので使い勝手が良い。スマートに見えるデザインも気に入っている。これにレベリングベースのLB-60Nを組み合わせることで、いちいち足の長さを微調整して水平を取る必要がなくなる。空港の展望デッキに着いたら被写体がすぐ目の前にあるので、対応は早ければ早いほどストレスがなくなるのだ。
カメラやレンズの手ブレ補正は目覚ましい進化を遂げているが、撮影者側はいつまでも若くないので頼れるものには頼りたい。余談だが望遠レンズの三脚座を、レオフォトのレンズフットに交換して使っている。アルカスイス互換の雲台に直接取り付けられる構造で、BV-15装着時のバランスはとても良い。今後はRF100-300mm F2.8 L IS USMとともにレオフォト三脚との旅が増えそうだ。
制作協力:株式会社ワイドトレード