中国の三脚メーカー「ベンロ」から“脚を外して一脚にもなる三脚”というユニークな製品が登場した。「カーボントラベルエンジェル」シリーズという名前で、国内ではワイドトレードが扱っている。カーボントラベルエンジェルシリーズは一見普通のカーボン三脚だが、3本の脚のうち1本を外して雲台部分を付け替えることで1脚にもなるという。早速使い勝手を試してみた。
カーボントラベルエンジェル(C-1691EX) | パイプは8層巻。本体部分はマグネシウム合金製 |
段数や耐荷重別に4モデルをラインナップしており、耐荷重8kgで5段のC-1691EXが6万1,320円、同8kgで4段のC-1681EXが5万9,850円、同6kgで5段のC-0691EXが5万5,125円、同6kgで4段のC-0681EXが5万4,075円といったところ。いずれも雲台は別売。雲台取付け部のネジは3/8インチタイプなので、一般的な雲台であれば装着できる。
今回試用したモデルはC-1691EXで、同じくベンロ製の自由雲台「BH0-M」を装着した。全体的な仕様だが、脚パイプは8層のカーボンを採用。脚のロックはレバー式だ。本体部分にはマグネシウム合金を使用している。カーボントラベルエンジェルはベンロの「トラベル」シリーズと同様、脚パイプを雲台側に180度回転させることで収納時の長さを短縮できるタイプになっている。ローアングルにも対応している。
BENROと書いてあるレバーを引き出すと2段階に開脚できる | 脚のロックはレバー式だ |
脚パイプを180度回転させることで、通常の三脚よりも縮長を短くできる | 収納時 |
まず三脚として使用してみたが、一般的な三脚となんら変わりのない印象だった。5段モデルともなると流石に最下段のパイプは細くなるものの、脚パイプが8層巻のせいか剛性も悪くない。レバーロックもしっかり効く。C-1691EXの場合全高は1,640mmで、エレベーターを伸ばさない状態だと1,370mm程度になる。
エレベーターを伸ばさない状態 | 身長175cmのモデルがアイレベルになるようエレベーターを伸ばしたところ。この状態から、もう10cm程度高くできる |
では、この三脚の目玉である一脚機能を使用してみよう。一脚となるのは、3本のうちスポンジの巻いている脚だ。その脚を回転させると本体から外すことができる。さらに雲台も本体から外しておき、先ほど外した脚と接続すれば一脚のできあがりだ。簡単な作業なので、慣れればすぐにできると思う。
一脚になるのはスポンジの巻いてある脚だ。一脚になることを示すアイコンがある | 脚パイプを数回転させると取外すことができる |
こちらは、三脚本体(左)と雲台(右)を分離したところ。大きなネジの付いたプレート部分で外れるようになっている。このプレートには一般の雲台を装着することも可能 | 雲台(左)と取外した脚(右)。これらをねじ込め一脚になる |
一脚になったところ | 接続部分。一般的な一脚と変わらずしっかりしていた |
高さを最大にして一脚として使用しているところ。雲台を含めた高さは約140cm |
カーボントラベルエンジェルがどういったシーンに向いているのかと考えると、三脚が使える場所では三脚を使い、人混みなど狭い場所では一脚として利用するといったシーンが思い浮かぶ。撮影旅行などには適していると言えるかもしれない。また普段は一脚派だが、もしかすると三脚が必要になるかもしれないという撮影でカーボントラベルエンジェルを持っていると心強いだろう。新しい三脚のスタイルとして注目してみたい。
2010/1/26 00:00