フォトアプリガイド
Photo Editor(Android)
トーンカーブ、Exif表示、ジオタグ削除……無料で使える本格派編集アプリ
(2013/5/20 00:00)
一昔前は職人技といってもよいほど敷居の高かった写真編集・補正。それが、低価格なソフトの登場や、管理ソフトなどに搭載された簡易編集機能の普及により、いまではずいぶん身近なものになった。そして迎えたスマートフォン時代においては、定番ジャンルのひとつにまでなっている。
今回紹介する「Photo Editor」は、その名の通り、写真編集に特化したアプリ。基本編集機能のほか、“あったらいいな”というものまで、幅広く搭載されている。
試用バージョンは1.3.9。無料で利用できるが、レビューで試用したのは、アプリ内課金(試用時243円)で広告を非表示にしたものだ。
Photo Editorの画面を見ると、上部に表示系、下部に編集系の機能がまとめられているのがわかる。
読み込んだ画像データの表示は、画面サイズに合わせて表示される「自動」が初期選択。「100%」「200%」に切り替えると、それぞれ等倍、2倍に表示できる仕組みだ。
画面下部には編集機能がアイコン化されている。あまりにも自然で違和感がないのだが、実はこの編集機能部を左右にスワイプすると、別の編集機能が表示される。つまりさらなる編集機能が下に隠れているわけだ。
編集機能は複数あるが、編集操作は、表示されたスライダーを動かして行なう。また、画面上部の「ORG」をタップすると、タップした時間だけ編集前の画像データが表示される。つまり、オリジナル画像と編集画像を見比べることができるのだ。
スライダーを使わない編集機能としては「トーンカーブ」がある。RGBまたは全チャンネルをトーンカーブを操作して調整できる機能だ。トーンカーブでは最大5点、最小3点をポイントして操作できる。調整したRGBに対して、全チャンネルまたは、選択したチャンネルを簡単にリセットできるのもよい。
本アプリにおける「エフェクト」は、「エフェクト1」と「エフェクト2」に分かれている。
具体的には「エフェクト1」が、ガンマ補正や階調調整・自動補正、アンシャープといったオーソドックスな補正効果のほか、「スケッチ」「油絵」「セピア」「白黒」といったフィルター効果が用意されている。
もうひとつの「エフェクト2」では、「反転(水平、垂直)」や「丸角」、「反射」など、加工を意識したエフェクトが並ぶ。また、選択したエフェクトによっては、効果「量」を調整できるものもあり、スライダー操作で掛かり具合を調整できる。
隠れてしまっている編集機能だが、「+」をタップすると、メニューの並び替えが行なえる。例えば初期状態で画面下部に表示された「エフェクト1/2」や「レベル調整」をあまり使わないというのであれば、代わりに「回転/水平調整」や「リサイズ」の番号を若くすることで、編集機能部をスワイプしなくても、すぐに利用できるようになる。
メイン画面で「情報」をタップすると、ファイル名やファイルの保存場所・パスなどが調べられるほか、ジオタグの確認(Googleマップを利用して表示にも対応)、Exifの確認が行なえる。
ここで注目したいのがExifだ。編集アプリの多くは、意外にもExif表示に対応していないものが多い。本アプリでは、表示のほか、編集・削除にも対応する。
スマートフォンで撮影した写真で怖いのが、いわゆる“身バレ”だ。位置情報(ジオタグ)を付加した写真を、そのままFacebookやTwitterに投稿すると、写真から撮影場所が特定される恐れがある。
Photo Editorは、補正した画像データを保存する際、Exifの修正や削除が行なえるため、対応するサービス(Picasa、Facebook、Twitterなど)へのうっかりアップを防げる。
また、補正画像を壁紙にしたり、外部SD(microSDXC/SDHC/SDカード)への保存、上書きにも対応。保存形式は「JPEG」と「PNG」の2種類から選べ、「JPEG」は品質の変更にも対応した。
本アプリのすごいところは、無料で利用できる(広告表示あり)点にある。確かにフィルター系の機能は少なく、フレームを付けることもできない。しかし、基本的な編集アプリとしてみると必要十分な機能を有している。そしてExifの表示・編集の存在も大きい。
こうした真面目な編集機能については、いわゆる“全部入り”といっても過言ではない。とりあえず、画像編集アプリを導入したいと考えているなら、使ってみてはいかがだろうか。