フォトアプリガイド

Resize(Android)

シンプルな操作でリサイズ・トリミング・傾き補正が可能

 スマートフォンで撮影した写真、もしくはデジタルカメラからスマートフォンに転送した写真をSNSにアップロードしたい時、回線状況によってはオリジナルサイズのままアップすると時間がかかる。従量制サービスを利用していれば、上限容量も気になるだろう。

 そもそも、オンラインストレージサービスへのバックアップという意味でなければ、オリジナルサイズでアップロードする必要性はなく、画像サイズをある程度小さくしたほうが扱いやすい。つまりは画像データのリサイズだ。

 そこで今回は、リサイズアプリ「Resize」を紹介する。

 試用バージョンは2.10。200円で購入した。なお、利用した端末はNTTドコモの「MEDIAS LTE N-04D」(Android OS 4.0.4)だ。

起動したら、メニューキーを押して「画像選択」からリサイズしたい画像データを選ぶ

 このアプリの特徴は、最小「sQCIF(128×96)」から最大「12M(4,000×3,000)」までの15サイズがプリセットされていること。そして、トリミング、90度単位の回転、水平/垂直方向の反転などに対応していることだ。

画面上に並ぶアイコンが本アプリの主要機能。左から「出力設定選択」「出力縦横比の決定」「画像の回転および反転」「ミラー」「回転固定」

 画像を表示したら、「出力設定選択」アイコンをタップする。「出力設定を選択」(リサイズプリセット)が表示されるので、サイズをタップして選択しよう。

出力サイズとして、「sQCIF(128×96)」〜「12M(4000×3000)」の15種類がプリセットされている
出力サイズを選択すると、サイズに合わせた範囲選択枠が表示される。スライドして切り出し(トリミング)ポジションを設定しよう。「画像出力」をタップすることで、設定した内容が保存される

 選択後、メニューキーを押して表示された「画像出力」をタップすることで、選択サイズにリサイズされた画像データが保存される仕組みだ。

初期設定では、出力先として「/Pictures/」が選択されている。メモリーカードに保存されたデータを利用したため「/sdcard/Pictures/」となっている

 なお、「出力縦横比の決定」アイコンをタップすると、範囲選択枠が横位置から縦位置へと切り替わる。「画像の回転および反転」をタップすると「右90°回転」「180°回転」「左90°回転」の3つから回転内容を選択可能。また、「ミラー」では「左右反転」と「上下反転」が行なえる。

「出力設定の選択」を除けば、「出力縦横比の決定」と「画像の回転および反転」がもっとも利用頻度の高い機能だろう。通常はペアで利用することが多いはずだ。

通常横位置になっている範囲選択枠を縦位置に変更するには、「出力縦横比の決定」をタップ
画像を回転したいなら「画像の回転および反転」から回転方向を選ぼう
左右、上下の反転にも対応

 単純なリサイズという意味では、「出力設定選択」「出力縦横比の決定」「画像の回転および反転」そして「画像出力」という4工程で十分。ただし、90度毎の回転では対応しきれない場合もある。

 そんな場合は、範囲選択枠をタッチ操作で回転させ、ベストポジションを探そう。指定回転だけでなく任意角度にも対応している点が本アプリの強味でもある。

タッチ操作で範囲選択枠を回転可能。回転させたくない場合は、「回転固定」アイコンをタップしよう

 メニューキーを押して表示される「設定」では、出力フォルダの指定や出力サイズ(幅・高さ)の指定、補間手法、フォーマットなどが選択できる。とはいうものの、基本的に本アプリの設定は変更する箇所が少ない。初期設定のままで十分利用できる。あえて見直すならば、出力サイズと補間手法だろうか。

 例えば「1:1」の正方形画像を作りたいなら、幅と高さの値を同じにすればよい。これで、範囲選択枠が正方形となる。

「設定」画面。幅と高さの値を同じにすることで「1:1」の正方形写真にリサイズできる

 なお、プリセットされた6種類の補間手法は、アンチエイリアス性能やシャープネス効果、処理速度のそれぞれに違いがある。

補間手法として6種類のプリセットが用意されている
「フォーマット」では、出力フォーマットを「PNG」または「JPG」から選択できる。元画像と同じでよい場合は「入力画像と同じ」(初期設定)を選ぼう

 メニューキーを押して表示される「その他」をタップすると、「シャープネス」「ブラー」「明るさ/コントラスト調整」といった簡易編集機能が利用できる。どの編集機能も、表示されたバーを左右にスライドさせるだけの簡単なものだが、画像が拡大表示されるため、効果の見極めは簡単だ。また、表示された拡大部は上下左右のスライドに対応しているので、任意箇所を表示させることもできる。

「その他」をタップすると、簡易編集機能へとアクセスできる
「シャープネス」を調整しているところ。表示された拡大画像をチェックしつつ、バーをスライドさせて調整しよう
「ブラー」の調整も「シャープネス」と同様だ
「明るさ/コントラスト調整」では、「明るさ」と「コントラスト」という2種類のバーが表示される

 リサイズアプリに求められるのは、豊富なプリセットと簡易的で実用性のある編集機能だろう。機能面でいえば、画像編集アプリに採用されているものばかりだが、機能を絞ることでシンプルな操作インタフェース、わかりやすい操作性を実現しているわけだ。

 従って、多機能すぎるというのも考え物。その点リサイズだけを考えると、本アプリは「画像を表示しプリセットを選択」→「出力」といった最低限の工程で済む。後は必要に応じて画像の回転、シャープネスやブラーといった編集を選べるというわけだ。

 なお、本アプリには、出力サイズや補間手法に制限のある無料版「Resize Lite」も用意されている。興味があれば、まずは無料版の試用をオススメする。

飯塚直