写真展

アダム・マレリ写真展「Traces of a Lost Ceremony」

(ライカギャラリー京都)

©Adam Marelli

アーティストであり写真家であるアダム・マレリの最新のプロジェクト「Traces of a Lost Ceremony」は、「なぜ古くからの伝統は継承されるべきなのか」を問いかける作品集です。このコンセプトを突き詰めるために、マレリは日本でも名の知れた職人たちの作業場を訪れて撮影を行い、信念と実践を結びつけるものを把握しようと努めました。日本では、職人の世界には立派な歴史があります。それでもなお、その技術が歴史を生き延びて未来に受け継がれていくために、職人はいつの時代でもその存在意義を証明しなければなりません。その意外な事実を、マレリは今回のプロジェクトを通じて知ることになりました。技術を財産として後世に伝えていくのであれば、一流の職人は芸術的な意味でも、哲学的な意味でも、そして実質的な意味でも、あらゆる場面において内省することが求められます。結局のところ、工芸品というのは、有意義な存在とはどんなものであるかという謎を解き明かす道具なのです。

“過去と未来で平衡を保つというパラドックスは、日本の職人の心に宿る目に見えないエネルギーである”
‐Adam Marelli‐

(写真展情報より)

  • ・会場:ライカギャラリー京都
  • ・住所:京都市東山区祇園町南側570-120
  • ・会期:2014年11月1日土曜日~2015年1月4日日曜日
  • ・時間:11時~19時
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)