写真展

八木隆写真展「内なる剥片」

(オリンパスギャラリー)

日常の生活空間から、内的世界を触発喚起するような光景を求め、写真とし、「内なる剥片」と題しまとめたものです。それは、いわば記憶や心象の欠片ともいえるかもしれません。・・・・・・・人は長ずるに従い、心の鏡を取り換えてゆく。しかし、心の奥底に仕舞い込んだはずの鏡に、ふとした折に光の届くことがある。若き日も、終末を視座に入れざるを得ない今も、それは変わらない。そこに映し出された光景は生身の自分が生きていることを、はっと、或いは、しみじみと感じさせるものだ。そしてそれは同時に、複雑な感情を紡ぎだす。そこには、安らぎと不安、喜びと哀しみ、過去・現在・未来などの相反するものが混在しているように思える。その光景は己や人というものを知るよすがとなるものかもしれない。しかしながら、それらの光景は、慌ただしい日常の雑事の中で、留まることなく、知らぬ間に剥げ落ちて行ってしまう。・・・・・その剥片を拾い集めるように、日常の中に、心の奥底に届くような光景を探しました。そして写真として形を成した幾十かの光景が、心の奥底の空間に揺蕩う時を、私たちに得させてくれることを願うものです。

出展作品数:カラー 約40点

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:オリンパスギャラリー東京
  • ・住所:東京都新宿区西新宿1-24-1エステック情報ビル地下1階
  • ・会期:2015年10月2日金曜日~2015年10月7日水曜日
  • ・時間:11時~19時(最終日15時まで)
  • ・休館:木曜日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

2008年    にほんかい自然写真大賞
2009年    写真展「N町逍遥」ビュー福島潟
2010年 6月 「N町逍遥-日常への旅-」『フォトコン』
2010年    アサヒカメラ賞(組写真の部1位)
2012~13年  写真展「記憶の行方」キャノンギャラリー(銀座・梅田・名古屋・仙台)

(本誌:河野知佳)