中澤仁写真展「時空の記憶」

普段は気付くことがないのに、カメラを持ってファインダーを覗くことによって初めて見えてくる瞬間や空間があります。そんな時空との出会いに対して心が命ずるままに、時には一瞬のひらめきでシャッターを切るという行為を繰り返してきました。

こうして様々な瞬間と空間を撮影してきましたが、どのような場面でも常に意識していたことは『日常生活の中の非日常性』ということです。

写真展『時空の記憶』はこれまでの私の写真活動の集大成として、被写体に対して私がイメージした非日常性が明確に感じられるものを集めてみました。

私が描く非日常性のイメージは、孤独・不安・不気味などのマイナスの気配を感じさせることが多いのですが、ここに、現代社会に潜み漂うある種の危うさや閉鎖感を憂いている自分が居るのを感じています。

（写真展情報より）