写真展

中井菜央写真展「未明」

(ニコンサロン)

祖母が遺した日記帳。

そこにはこう記されていた。

「生きていても意味のないものに私はなっていく」

晩年、アルツハイマーを患った祖母は、自分の中から抜け落ちて行く記憶の断片をひろいあつめるように日常を記録していた。

記憶をなくしていく祖母との時間の共有。

それは想像以上に喪失感を伴うものだったが、人の記憶を記録する写真の重要性について、再び考える時間を与えてくれた。

この作品は祖母が残した言葉がきっかけとなりはじまった。

祖母のように、人は生きて行く中で避けることのできない現実と直面し、戸惑う。それでも生に向き合い、未来に期待を抱き、光と闇の間を漂い続けるものなのだ。

限られた人生の時間の中で人々が発している、わずかな光と丁寧に向き合いたい。

人が確かにこの世に生き、何かを模索したのだという証を私は撮りたいのだ。(中井 菜央)

(写真展情報より)

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA1階・2階
  • ・会期:2014年11月5日水曜日~2014年11月18日火曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:大阪ニコンサロン
  • ・住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2014年11月27日木曜日~2014年12月3日水曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)