写真展告知

京嶋良太写真展:流れる響きのなかで

ふげん社(東京・下目黒)7月29日~8月8日

(c)Ryota Kyoshima

京嶋良太は1979年山梨県生まれの写真家です。2001年から滞在したオーストラリアの雄大な景色に感化され、帰国後に写真の道へ進みます。2019年にはEMON PHOTO AWARDファイナリストに選出されるなど、これからの活動が期待される若手作家の1人です。現在は自然と人と動植物の関係性に着目した「Symbiosis」(共生)をテーマに作品制作を続けています。

本展では、淡い緑色の静かなダム湖を中心とした集落を舞台に、自然と人々の営為の交わりによってもたらされる「流れ」を表現したCプリント約30点を展示いたします。

京嶋は最初、硯職人の取材のためにその村へ訪れていましたが、やがてダムが原因となってその地域に洪水が起きやすくなった事実を、メディアを通して知ることになります。その時から眼前の風景が一変し、訪れるたびに変形していく土砂の山や濁流の跡、土砂を片付ける重機が発する重低音が、京嶋の中に流れ込んでくるようになりました。

本作にはこの集落で起きている社会問題を追及したいという作家の意図はありません。滞留する土砂が描き出す風景は、雄大な自然と、人間の営みが交わることで形作られたものです。その光景を淡々と見つめた本作からは、ある種の諦念や無常観といった日本的な感性から紡がれた、透徹した美しさがあります。

人智を超えた自然の律動と人間が作り出した巨大な建造物が生み出す、静寂の中にも迫力のあるダイナミックな景色をご高覧ください。

写真展情報

(c)Ryota Kyoshima
(c)Ryota Kyoshima
(c)Ryota Kyoshima

会場

コミュニケーションギャラリーふげん社
東京都目黒区下目黒5-3-12

開催期間

2021年7月29日(木)~8月8日(日)

開催時間

火曜日~金曜日:12時00分~19時00分
土曜日・日曜日:12時00分~18時00分

休廊

月曜日

作者プロフィール

1979年山梨県生まれ、神奈川県在住
2001年より1年間滞在したオーストラリアの雄大な景色に感化され、帰国後に写真の道へ進むため上京。その後、数年のアシスタント経験を経て2007年に写真家として独立。2014年、世界中で活躍する様々なアーティストに焦点を当てたアートマガジン「MONTEM」(モンテマ)の制作に携わる。現在は自然と人と動植物の関係性に着目した「Symbiosis」のプロジェクトに力を入れている。
主な活動では2015年に個展「URSSHIMA」(新宿・大阪ニコンサロンJuna21)、2017年に個展「静けさの先にあるもの」(銀座・大阪ニコンサロン)を開催。2019年ではEMON AWARDファイナリストに選出。