写真展告知

櫻井尚子写真展:鳥-Dromaius / to Platinum

(リコーイメージングスクエア東京)11月26日~

モノクロ赤外写真、プラチナプリント作品約20点で構成。

写真展情報

かなり前に櫻井さんの作品を紹介して頂いたのは、アトリエ・シャテーニュの猪股さんでした。そのとき拝見したのはテストプリント中の大変印象的な鳥の写真でした。その後、いくつか写真集を見せて頂きましたが、どれも力強い表現です。

櫻井さんは1990年代から活動されている女性の写真家ですが、今回ご紹介するのはプラチナプリントによる作品です。櫻井さんとプラチナプリントとの出会いは、櫻井さんご自身に語って頂きますが、プラチナプリントと遭遇され、今回のテーマが完成形に近づくことを実感されたのだと思います。

作品の主題は時空を超えそれ自体で大変印象的ですが、それが高品位のプラチナプリントによってさらに拡張された表現になっていると思われます。どうぞ、会場で存分にご覧いただければと思います。

内藤明氏推薦理由

世界で2番目に大きな鳥、「二足歩行で飛べない鳥」エミュー。不思議なフォルムの持ち主です。鬱蒼とした木々で覆われた空間にいる彼らを見ていると、何万年もの間過酷な環境を生き延びてきた生命力の強さを感じます。その光景はあたかも原始的な世界にタイムトリップしたようでした。

そんな景観に魅了され撮影を始めたのが2010年。ギラギラした目つきのエミューですが、その見かけとは異なり臆病な性質です。進化の過程で陸だけでの生活を余儀なくされた彼らは、地味な色の羽を持ち姿はユーモラスです。時折、上空の小鳥の鳴き声に耳を澄まし音の方へ走り寄り、飛ぶ鳥を見上げ追う様子は不憫でなりません。一方、彼らの佇まいはバレエの動きを連想させます。枝木の合間を縫って届くスポットライトの中、それぞれの郡舞はまるで舞台の中にいるようでした。

以前開催したエミューの作品展「鳥-Dromaius」は、大きなサイズのプリントでした。その頃からこの主題に最適なプリントを探し始め遭遇したのが、今回ご覧いただく土佐白金紙とプラチナプリントです。柔らかな風合いを持ち腰のある和紙と羽、豊かに煌めき古くから継承されてきたプラチナ技法と鳥の遺伝子、すべてが予定された出会いのように感じます。この鳥たちが過去から未来へ羽ばたけることを願いつつ、それぞれの素材の共演をお楽しみいただければ幸いです。

櫻井尚子

作品コメント

会場

リコーイメージングスクエア東京 ギャラリーA
東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB(中地下1階)

開催期間

2020年11月26日(木)~12月14日(月)

開催時間

10時30分~18時30分(最終日は16時00分まで)

定休日

火曜日・水曜日および、指定の休業日

作者プロフィール

東京生まれ。パーソンズ・ザ・ニュースクール・オブ・デザイン(Parsons The New School of Design)卒業。
現在関東圏を拠点に活動中。

主な写真集

“forms”(2013年 蒼穹舎)
“鳥−Dromaius”(2014年 私家版)

写真展

[主な個展]
“forms”(2019年Roonee247 fine arts)
“in the window”(2017年 ギャラリー蒼穹舎)
“鳥-Dromaius”(2014年 epsite)
“forms”(2013年 Place M)
“Nu scape”(1999年 ギャラリーイシス)
“aged”(1997年 コダックフォトサロン)他

[主なグループ展]
清里フォトアートミュージアムK.Mopa開催20周年記念「原点を、永遠に」(2014年 東京都写真美術)“summer show 2013” (2013年 ポエティク・スケープ)
“Viview”(1996年 Voies OFFアルル写真際)他

第36回太陽賞最終選考作品 “Aged”
コレクション:清里写真美術館(1996、1998、2000)