イベントレポート
生成AIで広がる、新たな鉄道写真の楽しみ方
アドビとローカル鉄道がコラボ 安全な撮影とマナー向上を提案
2026年10月19日 11:54
アドビとえちごトキめき鉄道は10月12日(月)、イベント「楽しく撮り鉄!生成AIで鉄道写真がもっと簡単に!」を開催した。
鉄道ファンの一部におけるマナーが問題となっているなか、アドビのAI技術を使った画像編集を通じて鉄道撮影のマナー向上や新しい鉄道写真の楽しみ方を提案するイベントとなっている。
事前に募集した参加者がえちごトキめき鉄道に乗車し、車内や駅で撮影を実施。その写真を写真編集アプリ「Adobe Lightroom」や生成AI「Adobe Firefly」で加工することで、安全な撮影かつ見栄えのする作品づくりを行うという趣旨だ。
「残念な写真も加工してお気に入りの1枚に」
参加者は20名で8歳から86歳までと幅広い層が参加。当日は直江津学びの交流館に集合し、オリエンテーションが行われた。
講師は、アドビ Creative Cloudコミュニティ&プロダクト マーケティングマネージャーの岩本崇さんと、もじ鉄アーティストでグラフィックデザイナーの石川祐基さん。
岩本さんは、「撮った写真はそのままで終わりではなく、今は楽しく加工ができる時代。構図は完璧なのに不要なものが写っていて残念だと思った写真も、加工して気に入った1枚に仕上げてほしい」と話し、写真に映り込んでしまった不要な人物や電線をLightroomで簡単に消せることなどを説明した。
石川さんは全国を周って鉄道の文字やデザインを研究し、本にもまとめている。えちごトキめき鉄道の見どころの1つとして駅名標のデザインを挙げ、「景色が良い場所なので、妙高はねうまラインは山で、日本海ひすいラインは海の風景をイメージしたイラストが使われているのもポイントです」と紹介した。
昭和生まれの「TOKIトレイン」に乗車
今回乗車するのはえちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインを走る観光列車「TOKIトレイン」(ホリデーライナー)。直江津駅から市振駅の快速運転を土日祝に行っている。3両編成のうちイベントのために1両を貸し切るという大盤振る舞いだ。
TOKIトレインは昭和時代に作られ、新製時からは50〜60年が経っている歴史ある車両。特に糸魚川方面先頭車のクハ455は現役で稼働する唯一の同型車両という貴重なものだ。
発車してまもなく日本海が見えると、参加者は盛んにシャッターを切った。TOKIトレインは絶景ポイントでは速度を落として走るので撮影もしやすい。
終点の市振駅ではヘッドマークを交換しての撮影タイムが設けられた。通常行っていないもので、本イベントのための特別な計らいだった。
直江津駅に戻ると、えちごトキめき鉄道の平井隆志社長の出迎えがあり、ホームにある0キロポスト(距離標)について説明した。また、1886年に直江津-関山間に新潟県で最初に鉄道が開業したことから、直江津駅が「新潟県鉄道発祥の地」であることも社長がアピールした。
オリジナルグッズの制作にも生成AIが
参加者は直江津学びの交流館に戻り、撮影した写真を加工して仕上げるワークショップに取り掛かった。
石川さんはさっそく撮影した写真をもとに加工の実例を披露した。映り込んでしまった人物などはLightroomを使うと瞬時に消すことができる。
また石川さんは加工を使った遊び方の一例として、駅名標の文字を消して、別のソフトで別の文字を入れるといったテクニックも解説し、会場を沸かせていた。
参加者も自前のスマホやPCで実践に取り掛かった。簡単に不要なものが消せることに驚いた参加者を多く見受けられた。また、車両の窓の反射を消すことで見た目に近い写真にできたという参加者も。
そのほか、やりたかった加工を直接スタッフに聞けたことや、取っ掛かりができたのでこれから使い倒してみたいといった声も聞かれ、参加者の満足度は高かったようだ。
各自の作品は提出してもらい、石川さんや平井社長の審査を経て特別賞を決定。選ばれた作品はTOKIトレインの中吊りとして年末に展示される予定となっている。
ワークショップでは作品づくりが間に合った一部参加者の作品を投影して講評会も行われた。
参加特典としてTOKIトレインのヘッドマークをFireflyで加工して、オリジナル缶バッジにする企画も実施された。特別にTOKIトレインのヘッドマークが提供され、プロンプトによって様々なヘッドマークを各自が作った。
AI技術で楽しい鉄道写真に
平井社長は鉄道撮影のマナーの問題にも触れ、「ほとんどの皆様はマナーを守っていただいていますが、ほんの一部の方によって鉄道写真が楽しめなくなるのは本望ではありません。それを訴える場として、アドビさんと協力してこのイベントを開催できたのは光栄です」と挨拶した。
またAIについては、「AIを使うと個性がなくなるのかなと思っていましたが、こういうツールを使うとそれぞれ皆様の個性を活かすことに繋がるのかなという思いで、AIというものへの見方が少し変わったと感じています。どれだけの素晴らしい作品が見られるのか楽しみにしています」と作品への期待を述べた。
最後に石川さんは「アドビのAI技術を使えば、いらないものを自然に消すこともできる。こうしたものを活用すれば鉄道好きな人たちがみんなで楽しく写真を撮っていけると思います。1枚の写真からいろいろな世界ができる楽しさを皆さんぜひ試していただけたらと思います」と結んだ。









































