【フォトキナ】自社ブランドのカメラバッグやアパレル製品を参考出品したマンフロット


 フォトキナ2010でマンフロットは、三脚だけでなく、カメラバッグやカメラマン用ジャケットなどの参考出品を行なっていた。アパレル製品市場に参入するという。

マンフロットブース

 背景には、マンフロットブランドをさらに拡大していきたい考えがあるという。バッグとしては、創業者名にちなんだ「LINO」ブランドと、英語でStyleを意味するイタリア語「Stile」ブランドの2種類を用意する。

 これまでマンフロットは、カタ、ナショナルジオグラフィックという2つのブランドを擁していたが、今後はマンフロットブランドの拡大を図る意味で、マンフロットブランドのバッグ製品を投入するという。従来のブランドがプロからハイアマチュア向けだったが、マンフロットブランドではプロからハイアマチュア向け、エントリー向けなど、幅広い製品をラインナップする予定だ。

 バッグは、コンパクトなものから大型のもの、トロリータイプなど幅広いラインナップを展示しているが、これらは参考出品として、今後ラインナップを絞って発売していくそうだ。全体的に機能性も重視しており、しっかりした作りに仕上がっているようだった。前面に三脚を表すマンフロットのロゴをあしらう。

三脚の脚を表すロゴをあしらったStileのカメラバッグLINOの縦型バッグ
三脚の取り付けも想定している縦型バッグの内部
トロリータイプのLINOの内部コンパクトタイプのStileも参考展示

 アパレル製品では、ジャケット、ベスト、ポンチョの3種類があり、肩やジャケットの肘の部分が補強されたり、ポケットのコンパクトなデジカメなら収まるような拡張が可能になっているほか、いかにもカメラジャケット、ベストというデザインでないものを目指したそうだ。ポンチョは防水対策がされており、薄手の夏用と、厚手の冬用という2種類を用意している。

マンフロットから登場するアパレル製品の第1弾。ジャケット(左)、ベスト(右)、ポンチョ(下)の3種類を用意する

 こうしたジャケット類は、ジッツオブランドの製品が以前から存在していたが高額だった。マンフロットブランドでは、高くて5~6万円程度、安くて2~3万円程度の価格帯を狙っていくそうだ。

 従来にはないマンフロット製品としては、LEDライトも新たに発売する計画だ。LEDの数によっていくつかの製品が参考出品されており、デジタル一眼レフカメラなどの動画撮影での利用を想定している。大小のLEDライトを接続して光源を増やすこともでき、一瞬だけ光量を増加させるフラッシュ機能も備えている。リングタイプのものと通常のLEDライトで6~7種類をラインナップする予定。

デジタル一眼レフカメラを想定したLEDライトLEDライトの横にさらに取り付けて光量を増やすことができる

 これらの製品はすべて発売が決定しているわけではないが、早い製品では2011年2月に国内で開催される写真機器関連イベント「CP+2011」の時期には発売または発売日を決定したい考え。バッグやアパレル製品の発売はその時期には間に合わない見込みだという。

 ブースにはさらに、三脚の新製品も出展されていた。同社の三脚はプロ向け、ハイアマチュア向け、ソーシャルレコーダー向けという3種類に分類されており、そのうちブログやSNSに掲載する画像を撮るようなソーシャルレコーダー向けでは、「Compact」三脚の新製品を展示。ピストルグリップ雲台を組み合わせたタイプで、グリップのダイヤルを回してロック、ロック解除を行ない、滑らかに動作する。動画、静止画の切り替えスイッチがあり、動画側に切り替えると、縦位置撮影ができないように固定される工夫も盛り込んだ。

エントリー向けのCompactシリーズの三脚手元にあるダイヤルでロック、ロック解除ができる
動画・静止画切り替えスイッチ参考出品の5色の三脚

 ブースではホワイトやゴールドなど5種類のカラーリングのCompactも並んでいたが、こちらは参考出品で、カラーの人気投票も行なっていたが、発売するかどうかは決まっていないらしい。発売するのは、ブラックと茶色の2色となっている。

 さらに、超小型のスタピライザー「797 Modopocket」の後継製品として、三脚タイプにデザインを変更し、さらに小型、薄型化した製品も発売する。Modopocketは、世界で販売した数量の半数程度が日本での売り上げだったそうで、今回は三脚タイプにして、さらに薄型化したコンパクトデジカメ向けに、よりコンパクトに仕上げたという。CP+2011のころに、数千円の価格で販売したい考えだ。

超小型三脚の新製品折りたたむとここまで小さくなる
一眼レフカメラ向けで、大きな一眼レフでも安定して設置できる薄型化するコンパクトデジカメにあわせてさらに小さくした

 ハイアマチュア向けには、190シリーズの廉価版である290シリーズを用意する。190に比べて開脚角度が2段階になっているほか、ターゲット層にあわせて雲台とのセット販売を中心に行うという。

開脚が2段階に制限され、190の廉価版という扱いの290シリーズ

 プロ向けには、057シリーズやハイブリッド雲台を用意。ハイブリッド雲台では動画と静止画に両対応し、Compactのように動画モードでは縦位置撮影ができないようになる。レバーをセットすると縦位置撮影時に90度の角度でぴったりと止まるような仕組みも加えた。

さらに一段足が太くなった大型のエレベーター付き三脚057シリーズ(画面奥)雲台下部の赤いスイッチをずらすと、縦位置撮影時にカメラが90度の位置でぴったり止まるようになる

 ジッツオでは、Safariシリーズの新製品やSafari Travelerのリニューアルを行なう。カタは6月から新製品を投入している「Light Weight」シリーズが出そろい、ナショナルジオグラフィックは「Africa」シリーズを投入し、順調にラインナップを拡大している。

ジッツオのSafariシリーズでは、野鳥観察などで緑に隠れられるようにカラーリングも配慮。足のロック部には、砂が入り込まないような配慮もされているSafari Traveler
剛性を保ちつつとにかく軽量化を重視したカタのLight Weightシリーズ
前面のポケットデザインが特徴のナショナルジオグラフィックAfricaシリーズ

 今回、ブランド拡大を目指したマンフロットの新製品は、2011年2月以降に順次発売していく予定だ。



(小山安博)

2010/9/28 14:20