キヤノン、デジタル一眼レフカメラ生産を20万台引上げ


EOS 7D

 キヤノンは26日、2010年通期の連結業績見通しを上方修正した。売上高は前回予想(1月27日)から8.7%増の3兆7,500億円(前年同期比16.9%増、以下同)、営業利益は同9%増の3,600億円(65.9%増)、営業利益は同20%増の2,400億円(82.3%増)を見込む。

 経済状況が回復基調にあるとし、デジタル一眼レフカメラの順調な拡大に加えてコンパクトとデジタルカメラやインクジェットプリンターも市場が拡大すると見る。また半導体露光装置、液晶露光装置についてもデバイスメーカーの投資再開により大きく回復するとしている。

 併せて、デジタルカメラの増産も明らかにした。デジタル一眼レフカメラの年間生産計画は、前回予想(1月27日)の470万台から490万台(前年実績比11.4%増)に上方修正した。コンパクトデジタルカメラは1月27日の発表を据え置き、年産2,100万台(前年実績比6.6%増)とした。3月17日にはデジタルカメラの生産子会社「長崎キヤノン」の操業を予定より1カ月早めるなど、市況回復に対応する動きを見せている。

 同日発表した2010年12月期第1四半期決算の連結業績によると、売上高7,555億2,600万円(10%増)、営業利益868億4,300万円(333.5%増)、純利益568億1,100万円(220.2%増)。デジタル一眼レフカメラが全世界で伸びたほか、コンパクトデジタルカメラ販売がアジアなどで拡大。また、カラーネットワーク複合機の回復も進んだ。グループを挙げてのコスト削減と併せて、収益改善に繋がった。

 そのうち、コンシューマービジネスユニットは売上高2,903億円(19.8%増)、営業利益は473億円(166.6%増)。デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X3」、「EOS 5D Mark II」、「EOS 7D」などを中心に数量を大きく伸ばした。コンパクトデジタルカメラも新興市場での販売が拡大した。インクジェットプリンター市況も回復に転じ、特にアジアでの販売が好調だった。

 当四半期におけるカメラの売上高は前年同期比24.9%増、台数ベースでは同11%増だった。通期の台数ベース伸び率は前年比7%増を見込む。なお、カメラ全体に占める一眼レフカメラの比率は台数ベースで19%、金額ベースで62%だった。

 オフィスビジネスユニットは売上高4,091億円(8%増)、営業利益721億円(50.5%)。カラーネットワーク複合機が各地域で販売増となったほか、レーザープリンターも販売台数が伸びた。

 産業機器その他ビジネスユニットは売上高823億円(4.1%減)、営業損失30億円(前年同期は157億円の赤字)。半導体露光装置や液晶露光装置が、2009年の市況低迷期の受注減少を受けて低水準に留まった。




(本誌:武石修)

2010/4/27 14:59