【CES】サムスン、APS-Cセンサーのミラーレス機「NX10」を展示
会場:Las Vegas Convention Centerほか
会期:2010年1月7日~1月10日(現地時間)
2010 International CESの会場でも最大級のブースを構えたサムスンは、前日のプレスカンファレンスで発表した同社初となるミラーレスレンズ交換式デジタルカメラ「NX10」を出品。併せて交換レンズ3本もリリースした。NX10のコーナーには、実機を一目見ようと多くの来場者が詰めかけていた。
NX10 | サムスンブース |
CES2010開幕前日にプレスカンファレンスでNX10を発表した |
NX10のコーナーには多くの来場者が詰めかけた |
■NX10
既報の通りNX10は、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したミラーレスレンズ交換式デジタルカメラ。海外では3月に発売するが、日本では発売しない。同時発表のレンズも含めて、価格は未定。
一眼レフカメラからミラーを取り除いたライブビュー専用機。コンパクトデジタルカメラからのステップアップユーザーを主なターゲットにするという。併せて、デジタル一眼レフカメラユーザーのサブ機としての需要も見込む。
マイクロフォーサーズのカメラと同様に、ボディの薄型化を実現できるのが特徴。ライバルモデルはマイクロフォーサーズ機とエントリークラスのデジタル一眼レフカメラとしている。各社のマイクロフォーサーズに対するアドバンテージとして、約45%面積が大きいAPS-Cサイズセンサー、200msで合焦するというAFスピード、高コントラストで見やすいAMOLED(アクティブマトリクス有機EL)パネルの3点を挙げている。
シャッターボタン周り | ポップアップストロボを内蔵する |
使用している撮像素子は自社製の1,460万画素タイプ。ペンタックス「K-7」に搭載しているものをさらにアップグレードしたものという。なおNX10の開発にHOYAのPENTAXイメージング・システム事業部は関与しておらず、サムスンの独自開発としている。
マウントは独自の「NXマウント」 | レンズ側のマウント |
NX10の撮像素子 | フォーサーズセンサーとの比較展示もしていた |
センサーがAPS-Cである点をアピール | NX10の模式図 |
NX10のレンズマウントは、8個の電子接点を上側に備えた独自のバヨネットマウント「NXマウント」を採用。NXマウントはクローズド規格としており、オープンスタンダードにするつもりはないという。フランジバックの長さは、マイクロフォーサーズより長い25.5mm。純正でKマウントに対応するマウントアダプターも発売する。
NX10で撮影した静止画のサンプルを上映 | EVFの下にセンサーがあり、EVFを覗くと自動的に表示が切り替わる |
バッテリーおよびバッテリー室 | 本体横にSDHCメモリーカードスロットを備える |
デザインはペンタ部が盛り上がった一眼レフカメラスタイルを採用。PMA09などで出品していたモックアップに近い仕上がりだった。ミラーレスでかつ固定式液晶モニターとあって、かなり薄型の印象を受けた。グリップ部分は多くの一眼レフカメラほど大きく張り出してはいないが、ホールド感は良い。動画撮影時のAFも可能となっている。
銘板 |
画像処理エンジンは、AFのアルゴリムズムを従来から改善した「DRIMe II Pro」を搭載。感度はISO100~3200。手ブレ補正はレンズシフト式。センサーには超音波振動式のゴミ対策機構を備える。動画撮影は720pのH.264形式。
背面パネルは3型61万4,000ドットのAMOLEDパネルで、コントラスト比は1万:1としている。
言語選択に日本語はなかった | SMARTモードの撮影画面 |
絞り優先AEモードの画面 | 動画撮影中の画面 |
動画撮影時には絞り優先AEも使用可能 | 動画は最大720p |
ファンクションボタンで撮影パラメーターを変更可能 | ジャケットやケースなどのアクセサリーも用意する |
■レンズ
NXマウントのレンズは、パンケーキレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズの3本を本体と同時に発売する。
パンケーキレンズは「SAMSUNG LENS 30mm F2」で、35mm判換算で45mm程度の画角になる単焦点レンズ。手ブレ補正機構は搭載していない。鏡胴にはMFのための電子リングも備える。ブースでは、パンケーキレンズを装着したNX10をポケットに仕舞えると実演してアピールしていた。
SAMSUNG LENS 30mm F2を装着したところ |
標準ズームレンズは「SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS」。手ブレ補正機構内蔵を表す“OIS”の表記がつく。専用フードを用意する。
SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OISを装着したところ | フード取り付け時 |
望遠ズームレンズは「SAMSUNG ZOOM LENS 50-200mm F4-5.6 ED OIS」となっており、こちらも専用フードが付く。
SAMSUNG ZOOM LENS 50-200mm F4-5.6 ED OISを装着したところ | 望遠端時 |
フード取り付け時 |
■コンパクトデジタルカメラ
「CL80」は、無線LANとBluetoothに対応したモデル。DNLAでも利用可能。画素数は1,420万画素。約115万ドットの3.7型タッチスクリーン(AMOLED)を搭載する。レンズは光学7倍ズーム。720pでの動画撮影が可能。
CL80 |
「TL210」は、1,240万画素センサーを搭載したスタイリッシュモデル。ボディの前面にも1.5型ディスプレイを配置した独自の「デュアルビュー」を搭載する。デュアルビューでは、自分撮りの際に構図を確認することなどが可能となっている。液晶モニターは3型。広角27mm相当からの5倍ズームレンズを搭載する。動画は720p。TL210の画素数を1,220万画素にし、液晶モニターを2.7型にした「TL205」も用意する。
TL210 |
カメラの巨大な模型を用意してデュアルビューをアピールしていた |
「SL600」は、1,220万画素の撮像素子や広角27mm相当からの5倍ズームレンズなどを搭載したモデル。液晶モニターは2.7型。動画記録はSDのみとなっている。
SL600 |
【2010年1月12日】記事中にマイクロフォーサーズシステム規格について、オープン規格である旨の記述がありましたが、仕様書などを無制限に公開する一般的なオープン規格ではありません。記述について削除するとともにお詫び申し上げます。
【2010年2月18日】記事初出時、背面液晶モニターを「3型92万ドット」と記載しておりましたが、正しくは「3型61万4,000ドット」です。
2010/1/8 15:43