パナソニック、「LUMIX」2009年秋モデル4機種を発表

　パナソニックは28日、コンパクトデジタルカメラ「LUMIX」シリーズの新製品合わせて4モデルを発表した。いずれも8月21日に発売する。価格はすべてオープンプライス。

LUMIX DMC-FX60	LUMIX DMC-ZX1

LUMIX DMC-FP8	LUMIX DMC-FZ38

■手ブレ補正効果を従来比2倍に

　新モデルすべてで、従来比2倍の効果を発揮するという新光学式手ブレ補正機構「POWER O.I.S.」を搭載した。ジャイロセンサの変更とアルゴリズムの改善で、特に低周波の手ブレを低減した。手ブレ補正効果は従来からシャッター速度換算で、1～2段分向上を謳う。これにより、前モデルでは1/8秒までだった低速限界も1/2まで拡張した。光量が少ない場所での手持ち撮影であっても、手ブレ量が少ないとカメラが判断した場合、最長1/2秒まで露光することで明るく写すことができるとしている。

　これまで、同社製コンパクトデジタルカメラの手ブレ検知ジャイロセンサーは、セラミックタイプを使用していた。セラミックタイプは時間の経過とともに検知誤差が増える特性があった。新モデルでは、新たに水晶タイプのジャイロセンサーを採用することで、誤差を低減した。

　一方これまで、手ブレが発生する周波数帯の低周波側では、実際の手ブレと補正信号の間にずれ（位相進み誤差）があり、補正残りが発生していた。今回、手ブレとなる周波数帯の下限といわれる1Hz前後で位相進み誤差を低減させ、補正残りを低減させた。

■AFも2倍に高速化

　新モデルでは、AF速度を従来に比べて約2倍に高め、DMC-FX60で約0.28秒、DMC-ZX1で約0.27秒、DMC-FP8で約0.25秒、DMC-FZ38で約0.29秒の合焦時間を実現した。一例として、従来機「DMC-FX40」のAF速度は0.75秒だった。

　AFの高速化を図るため、アクチュエーター（モーター）の高速化、AFアルゴリズムの最適化、ソフト処理の高速化を行なっている。ソフト面では、これまでシャッターボタン押下をチェック後、絞り動作をしてからフォーカス動作を行なっていたが、絞りとフォーカスを同時に行なうことで合焦時間の短縮を図った。

　また、レンズ初期化プログラムの並列化により、起動時間を従来比30%高速化したという。従来、プログラムロード、ズーム初期化、絞り初期化シャッター初期化は並列処理していたが、その後にフォーカス初期化が必要だった。今回、フォーカス初期化も電源ONと同時に並列処理できるようになっている。

■各機種の特徴

　新製品4機種の特徴を簡単に紹介する。詳細については、順次掲載する機種ごとの別記事を参照いただきたい。

・LUMIX DMC-FX60

　LUMIXの定番モデル「FXシリーズ」の最新機。厚さ19.4mmのボディに広角25mm相当からの5倍ズームを搭載。あらかじめ登録した人物を認識して名前を表示する「個人認識」機能は、これまでの1人から3人同時の認識が可能になった。1枚の画像をもとにHDR（ハイダイナミックレンジ）イメージを作成できる機能も新搭載した。液晶モニターも2.5型から2.7型になっている。撮像素子は1/2.33型有効1,210万画素CCD。

パナソニック、HDRイメージに対応した「LUMIX DMC-FX60」

・LUMIX DMC-ZX1

　厚さ26mmながら、広角25mm相当からの8倍ズームを搭載するニューライン。旅行の日付を設定して撮影すれば、その旅行のみスライドショー再生できる「トラベルモード」を新たに設けるなど、“旅”を意識したモデル。撮像素子は1/2.33型有効1,210万画素CCD。

パナソニック、広角25mm対応の薄型8倍ズーム機「LUMIX DMC-ZX1」

・LUMIX DMC-FP8

　屈曲光学系を搭載したスタイリッシュコンパクトデジタルカメラのニューライン。広角28mm相当からの4.6倍ズームレンズを搭載する。撮像素子は1/2.33型有効1,210万画素CCD。

パナソニック、広角28mm対応の屈曲光学モデル「LUMIX DMC-FP8」

・LUMIX DMC-FZ38

　広角27mm相当からの18倍ズームを搭載する高倍率モデル。新たに「AVCHD Lite」での動画撮影に対応した。動画撮影でのマニュアル撮影にも対応する。テレコンバージョンレンズなどのアクセサリーも用意する。撮像素子は1/2.33型有効1,210万画素CCD。

パナソニック、“AVCHD Lite”に対応した18倍ズームモデル