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スライド・トークイベント「OPEN SHOW TOKYO」が開催
出演は秦雅則氏と大橋愛氏
Reported by 本誌:折本幸治(2013/10/24 12:55)
写真家によるスライド・トークイベント「OPEN SHOW TOKYO」の10回目が、11月7日(木)に開催される。
2008年にサンフランシスコで始まり、世界30都市以上で定期的に開催されているイベントの東京版。
今回は秦雅則氏と大橋愛氏の2名を迎えて行なわれる。
(1)秦雅則「鏡と心中」
「鏡と心中」というシリーズについて話をさせてもらいます。鏡と心中シリーズは、今までに「鏡と心中/人間にはつかえない言葉」「鏡と心中/外側と内側のさかいめはまど」を展示会や書籍という形で発表しています。そして、十一月六日から横浜にありますmujikoboにて、三度目の発表の機会となる「鏡と心中/鳥影をみてたのしむ二人」を展示させてもらうことになっています。その展示のために現在製作中のものの一部や、今までの展示会で使用した一連の写真のスライドを投影しながら、制作裏話や制作意図のようなことをお話出来ればと考えています。
大橋愛「piece」
自身の近しい人の死をきっかけに、国内外各地の写真を撮ることで、
死の側から生を、生の側から死をのぞく作業を続けてきました。
かつての隆盛の影を残したまま取り壊されることすらなく廃墟となった軍艦島、
おそろしいほど美しい自然、時間によって音も立てずに暴力的に分断される日常の風景、、、。
私の目を通して映された世界は
時として残酷ともいえる生の営みを粛々と浮かび上がらせ、
生が内包する「無」ともいえる死の気配を感じさせます。
個人の痛みから派生した失われたかけら(=Piece)をさがすようにシャッターを切り、
生まれた写真は、生の対局にある死ではなく、
ただ当たり前にある死の存在をやさしく語りかけます。
そして時を経て、死者への感情がかわりゆくように、写真もいつしか普遍的な世界へと昇華され
見る者自身の記憶のかけらにやさしく静かな時間を与えます。
震災を経て、生と死がわたしたちにとってより身近なものとなった今、
「世に出そうと思った」という本作は、鑑賞者ひとりひとりの物語ともいえます。
- OPEN SHOW TOKYO第10回
- 場所:東京都写真美術館 アトリエ
- 日時:2013年11月7日木曜日19時〜20時45分
- 会費:1,000円
- 定員:50名