パナソニック、2009年度のデジカメ事業は28%の増収


 パナソニックは7日、平成22年3月期(2009年4月1日~2010年3月31日)の連結業績を発表した。2008年度に続く赤字決算となるも、2010年度は500億円の純利益を見込む。

 売上高は7兆4,179億8,000万円(前年同期比4.5%減、以下同)、営業利益は1,904億5,300万円(161.3%増)、純損失は1,034億6,500万円(前年度は3,789億6,100万円の赤字)。新たにグループに三洋電機を迎え、その連結子会社を含めた連結売上高は前年比4%の減収となった。経営体質強化により営業利益が大幅に増加した一方、早期退職一時金などの事業構造改革費用2,198億円の営業外損失を計上した。

 デジタルAVCネットワーク分野は売上高3兆4,095億円(9%減)、営業利益873億円(2,648%増)。デジタルカメラは売上高391億円(28%増)。ノートPCや携帯電話の売り上げ減少により減収となった。

 アプライアンス分野は、エアコンやコンプレッサーの売上が減少し売上高1兆1,423億円(7%減)、営業利益は665億円(36%増)となった。電工・パナホーム分野は、電材、住設建材などの売上高減少により売上高1兆6,321億円(8%減)、営業利益は347億円(13%減)。デバイス分野は、電池や半導体の売り上げ減少により減収。売上高1兆53億円(11%減)、営業利益361億円(408%増)。三洋電機は太陽電池の好調により売上高4,048億円。買収に伴う無形固定資産の償却費などの計上により営業損失7億円。その他分野はFA機器の売上が不振で売上高1兆122億円(6%減)、営業利益197億円(18%減)だった。

 なお、2009年度の設備投資額は3,855億円、研究開発費は4,769億円。2010年はそれぞれ4,800億円(20%増)、5,500億円(13%増)としている。

 2010年度は予断を許さない経済状況が続くと予想。当期純利益の黒字転換を図り、売上高8兆8,000億円(19%増)、営業利益2,500億円(31%増)、純利益500億円を見込む。

 2009年度は前年度に続く当期純損失で、今後も厳しい経営環境が続くと予想しながら、一刻も早い業績回復を図る。



(本誌:鈴木誠)

2010/5/7 18:27