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ブラザー、大容量インクカートリッジ採用の新インクジェット複合機

プリントコストを約2分の1に削減 スマートフォンからインク残量を確認できるサービスも

PRIVIO DCP-J983N

ブラザー販売株式会社は、インクジェット複合機「PRIVIO」の新製品「DCP-J983N」の発売を発表した。本体サイズを抑えたまま、大容量インクカートリッジを採用したのが特徴。

発売は8月上旬。価格はオープン。店頭予想価格は3万4,880円(税別)。

写真や年賀状など、主に家庭での幅広い用途を想定しているA4複合機PRIVIOの新製品。染料系の4色独立インクカートリッジ「できる4色インク」を採用する。

大容量インクカートリッジを搭載

新たに、従来機種(2015年発売のBASICシリーズ)と比べてブラック約6倍、カラー約2.5倍の大容量インクカートリッジを採用。それにより、1枚当たりのプリントコストを約2分の1に抑えられるという。

想定利用シーンは、個人ビジネス利用、ホームオフィス、地域活動での利用など。

1枚当たりのインクコストは、A4カラー文書が約4.6円、A4モノクロ文書が約1円。Lサイズフチなしが約15.1円。

大容量インクカートリッジは、インク交換の手間も軽減してくれる。1回のインク交換でプリントできるA4モノクロプリント可能枚数は、約375枚から約2,340枚へと4倍近く増えるとのことだ。

大容量インクカートリッジを採用しつつも、大幅なサイズアップはしていない。従来機種から横幅が約2cm増えただけという。

対応インクはLC21EM、LC21EC、LC1EY、LC21EBK。

ADFも搭載

1年保証に加え無償修理サービスも

一般的な1年間のメーカー保証に加え、メーカー保証期間終了後、2年間で1回使える無償修理サービスがつくのも特徴だ。

また、ブラザーが提供するオンラインサービス「ハイプリ」も利用できる。同社のプリンターの利用者限定のサービスで、スマートフォンで外出先からインクカートリッジの残量や型番を確かめられる。その他、機能の追加が予定されている。

本体に有線LAN(10BASE-T/100BASE-TX)および無線LAN(IEEE802.11b/g/n)を搭載。Wi-Fi Direct、NFCに対応する。

SDXC/SDHC/SDメモリーカード、メモリースティックデュオ/PROデュオ、USBメモリーからのダイレクトプリントが可能。

カラースキャンの光学解像度は最大1,200dpi。

自動両面プリント、レーベルプリントも可能。

本体サイズは420×341×172mm。質量は約8.7kg(インクカートリッジを含む)。

機能ではなくニーズを軸に

発表会にはブラザー販売株式会社の三島勉代表取締役社長が登壇。本製品開発の背景を説明した。

ブラザー販売株式会社の三島勉代表取締役社長

国内インクジェットプリンター市場は減少を続けており、昨年度は対前年10%近く落ち込んだ430万台。その中でブラザーはマス向け戦略とラインナップの拡充により、販売数量および台数シェアを増やしてきたという。

市場の減速要因は、年賀状が毎年数億枚ベースで減っていることと、スマートフォンの普及。特に後者は家庭でのプリント機会を奪い、個人のペーパーレス化を推し進めた。

そうした中でブラザーが気づいたのは、月50枚以上プリントする利用者が約20%存在すること。全体からすると数は少ないものの、こうした大量にプリントする層に着目して開発したのが、今回の新製品という。

「これまでは機能の軸でラインナップを組んだ。戦略を見直し、今度は印刷枚数に合わせた提案を行う。プリント頻度が低い人には従来製品を、プリント頻度が高い人には新製品を」(三島社長)

また、たくさんプリントする人は長くプリンターを使う。それが1年保証終了後の修理サービス開始にもつながった。

今後は全国1,000店に展開し、PRIVIO全ラインナップで50万台の販売を目標に据えている。

なお新イメージキャラクターとして、タレントの小島瑠璃子さんが選ばれた。ブラザーWebサイトのコンテンツ「ぴったりプリンター診断」などでも、小島さんが起用されるそうだ。