編集後記

2021年7月30日

宮澤孝周

連日、猛暑日が続きます。気がつけば7月ももう終わり。季節はすっかり夏なのに、どこかそうした実感が得られない日々が続いています。リモートワーク中心になってからというもの、そうした季節の変化を感じづらくなったのは、やはりどこか寂しいものがあります。

ところで個人的に夏の光は好きだな、と感じています。冬にかけて硬さを増す時期にも特有の空気感があり好きなのですが、やっぱり夏の光は特別。光量は強烈ではありますが、同時に生命力のようなものも感じています。

遠方には相変わらず行くことはできていませんが、先週頃よりいくつかの新しいレンズを試す機会に恵まれました。それらは今後レビュー記事を通じてお伝えしていくとして、久しぶりに近場を撮影してまわる中で、この夏ならではの空気感を捉える面白さにあらためて気づかされました。

かつて読んだ本の中で、こうした夏の光を「世界を真っ白に漂白する」と表現した一文に出会った時は「まさに」と感じたものです。今は、そうした印象に加えて、生命感にあふれるという印象も加えて抱くようになりました。これは写真を撮っているからこその意識の変化。そうした意味でも、光や空気感を感じられる写真の力は、やはり偉大だなと思うわけです。