編集後記

2020年11月20日

宮本義朗

毎週末、散歩をする習慣ができました。在宅ワークの折、一日の歩数が驚くほどに減少し、たまに取材などで外出するととにかく疲れがたまります。足腰の弱まりに恐れを感じ、今更ながらはじめた次第です。

使命感に駆られてはじめた散歩ですが、これがなかなか楽しいなと。今の家に越してきて3年ほど経つのですが、自分の住む街を全く知らずに過ごしてきたのだなと痛感します。毎回、新しい発見の連続です。

概ね午前中にスタート。出発前に気になるパン屋さんを検索しておき、そこを目的地として歩き始めます。知らない道、路地裏などいちいち遠回りをするため、大体2時間弱くらいカメラを片手にのんびり歩いています。普段は車で通り過ぎてしまうような場所も、ゆっくり歩いていると違う姿を見せてくれるような気がします。

私が今までカメラで撮っていたものと言えば、旅行先であったりイベントごとなどでの思い出写真がメインでした。しかしこうして“被写体を探しながら歩く”というのも実に面白いものだなと実感しています。心なしか自分自身、なんだか些細なものに目が向くようになった気も。月並みですが、今までは道端に咲く花や草木に意識を向けることなどあまりなかったように思います。

“遠出”をするということにハードルが高くなった今、なかなかいい趣味を見つけたなと思います。歩くコースも狭い路地裏や人通りの少ない道ばかりなので、このご時世にはちょうど良いかもしれません。色々なものに目を凝らすようになった分、旅行に行くのと同じくらいの新鮮さを“近所”で感じています。