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パナソニックLUMIX DMC-LX3【第1回】
久しぶりに期待大!! の超広角モデル

Reported by 安孫子卓郎


筆者のLUMIX DMC-LX3。ブラックを購入
 16:9のアスペクト比が特徴的なコンパクトデジカメ「DMC-LX」シリーズが3代目となり、一段と魅力あふれる「LUMIX DMC-LX3」になって登場しました。今回からDMC-LX3を使った長期レポートを始めますので、ご愛読いただければ幸いです。

 筆者はもともと3:4派です。フイルムの時代、プリントの基本を四切、六切においていましたので、35mmフイルムのアスペクト比は細長すぎて、使いにくく感じていました。四切にプリントするときは、なぜこんなにトリミングしなければならないのか疑問を持ったものですが、サービス判をはじめフイルムのプリントサービスそのものがアバウトでしたから、そんなものかと納得しておりました。

 モノクロのプリントは自分で行なっていましたから、四切の印画紙に余白を出すことで対処していました。また使用するフイルム自身も、次第に富士のGS645やペンタックス67での使用が増えてきました。67サイズは四切プリントにちょうど良かったのですが、カメラもレンズも大きく、ミラーショックも大きいのが難点です。GS645はとても面白いカメラで、デジタルでもこんな中判があればいいといつも思いますが、無理でしょうね。この645サイズというのが3:4のアスペクト比でしたし、筆者は当初から3:4のデジカメのアスペクト比は使いやすく、好ましく感じておりました。

 そんな中に登場したのが、初代の「LUMIX DMC-LX1」(2005年8月発売)です。3:4派の筆者からしてみれば、「16:9なんて中途半端に細長くて使いにくいばかりじゃないか」と、期待も注目もしておらず、「どうせなら1:2か1:3くらいのパノラマカメラを出してほしい」と思ったものです。しかし実際にDMC-LX1を使ってみて驚きました。実に楽しいカメラで、16:9は思いの外パノラマ感があり、28mm相当のレンズでも十分に楽しめるものでした。「これは面白い」と思ったのですが、値段が高いこともあって購入まで至らず、また後継機種の「LUMIX DMC-LX2」もとても素晴らしく感じていたものの、これまた買うに至らず見送っておりました。

 しかし今回のDMC-LX3は発表時から即購入を決め、初日ゲットとなりしまた。そのポイントは3つあります。

 1つ目は、画素数を1,000万画素に抑えて、余力を画質の向上に回したことです。コンパクトデジカメの画素数は、無駄に多すぎます。新製品といえば画素数アップで、画素数を増やせば新型として売れる時代が続き過ぎました。コンパクトデジカメの場合は1,000万画素でも多すぎると思っていますが、区切りの良いところでこのあたりまでは妥協しましょう。これからの時代は、画素数以外の画質や機能向上を行なった機種に注目し、画素数を増やした機種はじっくり身構えて観察する時代かなと思っております。


24~60mm相当・F2~2.8の明るいレンズもこのカメラの魅力だ

 2つ目は、35mm判換算で24~60mm相当、F2~2.8という明るいレンズを搭載したことです。画素数を増やす→感度が低下する→増感……小型化する→レンズが暗くなる→増感……。こうしたダブルの悪循環を繰り返してきたのがコンパクトデジカメの流れでしょう。

 そこでレンズを明るくすれば、基準感度が低下しても無理な増感をしなくてすみます。明るいレンズは被写界深度が狭くてピンぼけを起こしやすいのですが、コンパクトデジカメの焦点距離なら(DMC-LX3の場合5.1~12.8mm)それなりの被写界深度は確保できますから、明るさのメリットだけを享受することができます。「明るいレンズ」=「低感度で撮影できる」=「高画質」という図式が成り立つわけです。ただしコストアップにつながることと、薄型・小型には向かないと言う問題はあります。

 ちなみに、このレンズは今後もLXシリーズのフラッグシップレンズだろうと思っています。過去の流れを見ると、だいたい次の世代は望遠をのばそうとしてきます。するとレンズが暗くなるので、もし改良型のレンズが出るとすれば、次は24~100mm相当・F2.8~5.6などというスペックではないかと想像できます。筆者的にこれは改悪なので、DMC-LX3のレンズは将来的にも独自の地位を保ち続けると考えています。もし万が一、将来出るであろう「LUMIX DMC-LX4」が24mm相当・F1.4などというレンズを搭載して登場してきたならば、そのときは皆さんにはごめんなさい、パナソニックさんには大きな拍手を送りつつ、もう1台買うことと致しましょう。

 購入ポイントの3つめは、ホットシューがついてクリップオンストロボが使えることです。ほかの機種にも同様の装備はありますが、バウンス撮影のできるコンパクトデジカメがほしいと思っておりましたので、好都合でした。

 と、長くなりましたが、筆者にとって、これだけ期待十分、思い入れたっぷりのコンパクトデジカメは久しぶりです。スーパーCCDハニカムIV SRを搭載した富士フイルム「FinePix F700」(2003年9月)以来でしょうか。いろいろと楽しんで行きたいと思っています。




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 画質はおおむね満足のいくものです。画素数を抑えて画質の向上を図ったと
いうアナウンスが実際に感じられます。一眼レフ並みとまではいきませんが、粘りや色乗りの良さなども感じられる好ましい画質といえます。


DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 24mm(35mm判換算) DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/400秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 24mm(35mm判換算)

DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 24mm(35mm判換算) DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/500秒 / F3.2 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 44mm(35mm判換算)

DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/500秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO125 / WB:晴天 / 24mm(35mm判換算) DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/500秒 / F3.2 / 0EV / ISO80 / WB:曇り / 24mm(35mm判換算)

DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:曇り / 24mm(35mm判換算) DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 60mm(35mm判換算)

DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F5 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 24mm(35mm判換算) DMC-LX3 / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F6.3 / -2.0EV / ISO125 / WB:晴天 / 24mm(35mm判換算)


URL
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/

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安孫子卓郎
(あびこたくお) きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2008/09/11 12:31
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