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ニコンCOOLPIX P5100【第5回】
ワイコンとテレコンを使う

Reported by 本誌:折本 幸治


ワイドコンバーター「WC-E67」を装着したCOOLPIX P5100
 COOLPIX P5100の弱点といえば、まず挙げられるのが焦点距離28mm(35mm判換算)に相当する画角をカバーしていないことだろう。ご存知の通り、現在のコンパクトデジタルカメラでは、28mm相当からのズームレンズの搭載がトレンドとなっている。

 コンパクトデジタルカメラに広角を必要としない筆者のようなユーザーには、35mmスタートのCOOPIX P5100でも購入時の不利にならない。しかし28mmスタートのレンズなら、ズームすることで35mmもカバーできる。実際にそういう製品が他メーカーにはいくつもあり、店頭やインターネットの掲示板などで人気を得ているのは周知の通りだ。

 しかしCOOLPIX P5100には、オプションのワイドコンバーター「WC-E67」(1万8,900円)がある。これがあれば、23.5mm相当からのワイドモデルに早変わりだ。

 COOLPIX用のワイドコンバーターといえば、COOLPIX 950とCOOLPIX 990で使っていたWC-E63(0.66倍)とWC-E24(0.63倍)を思い出す。WC-E24の画質が気に入らず、私と同じように、その後発売されたWC-E63を追加購入した人もいると思う。ただし、WC-E63の大きさに辟易した思い出も忘れられない。

 WC-E67は、WC-E24に似た小振りな外観が特徴。アダプタリング「UR-E20」(3,675円)を介してレンズ前に取り付ける。倍率は0.67倍で最短撮影距離は12cm。メニューの「コンバーター」から「ワイドコンバーター」を選ぶと、自動的にズームが広角端になり、AFがマクロモードになる。

 光学ズームとの併用も可能で、ズーム全域でケラレが生じないのはうれしい。焦点距離は、35mm判換算で23.5~82mm相当。なかなか使い勝手が良さそうだ。それでも光学ファインダーの視野のうち、4分の1をふさぐ。フレーミングは液晶モニターで行なえば良い。


左からワイドコンバーターのWC-E67、アダプタリングのUR-E20 鏡胴根元のリングを外し、UR-E20を装着。金属製でがっしりしている

WC-E67を取り付けたところ
メニューの「コンバーター」から、使用するコンバーターを選ぶ

撮影時の液晶モニター表示。左にワイドコンバーター装着を表すアイコンが現れる

 ついでに、テレコンバーターの「TC-E3ED」も取り付けてみた。こちらは下手な一眼レフカメラ用の交換レンズをしのぐ大きさと重さ。単体で75×78.6mm(最大径×全長)、約260gもある。もちろんこの大きさなので、光学ファインダーの視野はほとんど遮られる。

 倍率は3倍。メニューの「コンバーター」で「テレコンバーター」を選ぶと、ズーム範囲がケラレを生じない焦点域に制限される。といっても焦点域は35mm判換算で302~369mm相当と狭い。説明書にある通り、実質的に望遠端専用といってよいだろう。開放F値はF4.7~5.3になる。最短撮影距離は4.3mだ。

 ちなみにこのテレコンバーターは、COOLPIX3桁時代から存在する。当時はレンズ先端に直接ねじ込むだけだったが、COOLPIX P5100/P5000ではアダプタリングが必要だ。


左からテレコンバーターのTC-E3ED、UR-E20
でかい。アダプタリングが金属製なのもわかる

メニューでテレコンバーターを設定したところ。自動的にズームの焦点域が制限される

 超望遠になるだけに、しっかりしたフレアやゴースト対策を施したくなる。その場合は、先端にねじ込み式のフードをつければ良いのだろう。ニコンダイレクトではそうした用途として、85mm F1.4 S用のねじ込み式フード「HN-20」(1,701円)を薦めている。

 面白いのは、どちらもゆがみ補正が効くこと。ONにすると、ワイドコンバーターはタル型、テレコンバーターは糸巻き型の歪曲収差が低減する。特にワイドコンバーターでの効果は絶大だ。コンバーター非装着時と同様、ONにすると画角が狭くなるが、わずかなので問題ないレベルだろう。なお、ワイドコンバーターの望遠端では、ゆがみ補正ONとOFFでほとんど差がなかった。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算での焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。


同一距離での画角変化

※すべてゆがみ補正ON

 ●ワイドコンバーターWC-E67


広角端
4,000×3,000 / 1/308秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
望遠端
4,000×3,000 / 1/335秒 / F5.8 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 82mm

 ●コンバーターなし


広角端
4,000×3,000 / 1/362秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 35mm
望遠端
4,000×3,000 / 1/246秒 / F7.3 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 123.5mm

 ●テレコンバーターTC-E3ED


広角端
4,000×3,000 / 1/505秒 / F5.2 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm
望遠端
4,000×3,000 / 1/400秒 / F5.8 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 369mm

絞り値による画質の変化と歪曲収差

 ●ワイドコンバーターWC-E67


広角端・F2.7・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/116秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
広角端・F3.8・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/64秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
広角端・F5.4・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/34秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm

広角端・F7.6・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/15秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm

広角端・F2.7・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/118秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
広角端・F3.8・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/62秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
広角端・F5.4・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/35秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm

広角端・F7.6・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/16秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm

望遠端・F5.3・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/37秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 82mm
望遠端・F7.3・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/19秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 82mm

 ●テレコンバーターTC-E3ED


広角端・F4.7・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/54秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm
広角端・F7.3・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/22秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm

広角端・F4.7・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/55秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm
広角端・F7.3・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/22秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm

望遠端・F5.3・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/41秒 / F5.3 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 369mm
望遠端・F7.3・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/21秒 / F7.3 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 369mm

望遠端・F5.3・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/42秒 / F5.3 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 369mm
望遠端・F5.3・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/22秒 / F7.3 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 369mm

 ●コンバーターなし(参考)


広角端・F3.8・ゆがみ補正OFF
4,000×3,000 / 1/66秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 35mm
広角端・F3.8・ゆがみ補正ON
4,000×3,000 / 1/66秒 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 35mm

 作例でF3.8やF5.6など中途半端な絞り値になっているのは、COOLPIX P5100の仕様によるものだ。F2.8からでなく、F2.7からスタートする関係からだと思われる。絞り優先AEとマニュアル露出で設定できる絞り値は、F2.7 → F3 → F3.4 → F3.8 → F4.3 → F4.8 → F5.4 → F6.1 → F6.8 → F7.6(広角端の場合)となっている。

 コンバーター=画質が低下という個人的な先入観からすると、WC-E67装着時の中心部は驚くほど精細感が高い。仔細に比べないと、コンバーター非装着時とほとんど変わらない印象だ。ただし周辺部は、右端と上端が結構ボケ気味。絞るとある程度解消するが、回折のせいか中心部もユルくなる。また、入斜光に弱く、フレアやゴーストが出やすい欠点もある。撮影中、左手でハレ切りが必要なケースが結構あった。

 広角端と望遠端では、明らかに広角端の方が画質的に優れている。説明書にも「ワイドコンバーターの特性上、望遠端では性能が低下します」との記述があるほどなので、コンバーター非装着時の広角側の弱さをカバーする使い道に徹した方が良さそうだ。

 一方、TC-E3EDの画質はなかなかすごい。型名にEDが付くだけあって、色ズレはほとんどなし。コンバーターを介したと考えるとかなりシャープで、「ここ一発」の望遠撮影に使ってみたいと感じた。絞り開放では周辺がユルいものの、WC-E67ほど像のボケや流れが目立たない。もともとコンバーター非装着時においても、望遠端はわずかに画質が低下していたが、それを感じさせない精細感だ。VRのおかげか、晴天なら手持ちでも結構使えるのもうれしい。

 なおどちらのコンバーターも、メニューで設定することなく撮影できる。ただし面倒くさがらずちゃんと設定すると、Exifにコンバーター装着時の焦点距離が書き込まれるのがうれしい。ゆがみ補正とコンバーター設定にも、何らかの因果関係があるかもしれないので、私はこまめに設定することにしている。

 コンバーターを着脱するたびに、メニューから設定を行なうのは面倒だが、カスタムNo.1にコンバーター装着時、カスタムNo.2にコンバーター非装着時の設定をそれぞれ登録しておき、Fn(ファンクション)メニューにカスタムNo.の切替を割り当てれば、Fnボタンとコマンドダイヤルの同時操作で切り替えられるようになる。

 それにしても、コンバーターを体験するのは久しぶり。取り外しが面倒なものの、一緒に持ち歩くと愛機の可能性が広がるのは面白い。標準搭載のレンズで広い焦点域をカバーしてもらった方が助かるのはもちろんだが、常用しない画角はコンバーターに任せ、レンズ単体の画質と本体のコンパクトさを維持する方向性もありだと感じた。


WC-E67
4,000×3,000 / 1/189秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/316秒 / F6.8 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm

WC-E67
4,000×3,000 / 1/306秒 / F6.8 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/376秒 / F6.8 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 35mm

WC-E67
4,000×3,000 / 1/276秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/226秒 / F6.1 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 23.5mm

WC-E67
4,000×3,000 / 1/228秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/240秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm

WC-E67
4,000×3,000 / 1/207秒 / F6.1 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/206秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm

WC-E67
4,000×3,000 / 1/234秒 / F4.8 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm
WC-E67
4,000×3,000 / 1/251秒 / F5.4 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 23.5mm

TC-E3ED
4,000×3,000 / 1/250秒 / F5.3 / 0EV / ISO205 / WB:晴れ / 369mm
TC-E3ED
4,000×3,000 / 1/250秒 / F5.1 / 0EV / ISO280 / WB:オート / 344mm

TC-E3ED
4,000×3,000 / 1/234秒 / F5.8 / 0EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm
TC-E3ED
4,000×3,000 / 1/120秒 / F4.7 / +0.7EV / ISO64 / WB:晴れ / 302mm


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報(COOLPIX P5100)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/compact/coolpix/p5100/
  製品情報(WC-E67、TC-E3ED、UR-E20)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/compact/accessory/convertor/index.htm#wc-e67
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー(2007年)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2007.htm

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本誌:折本 幸治

2007/12/10 00:00
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