特別企画

ポートレート撮影は「モテレンズ」で! 藤里一郎流“モデルとの距離感”

タムロンの新SPシリーズでカノジョと秋の逗子デート

「よし。海に行こう」

夏が終わる前にカノジョとデートをした。向かったのは逗子。ドライブ、海、夕陽。デートコースの王道3要素、と言って良いだろう。

そして、忘れてはならないのが「写真を撮ること」だ。

EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/640秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/1,600秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE

大好きでしかたないカノジョの全てを写真に残す、それもデートの醍醐味だ。そんな想いを存分に表現してくれるレンズ達、それが僕が「モテレンズ」と称したタムロンの新しいSPシリーズだ。

高級感あふれる滑らかなデザイン。ボディとの重量バランスも最上級を感じさせる。

そして明るさが開放F1.8というのも嬉しい。僕はほとんど絞り開放で撮りたいタイプなので、悪条件下でもきっちり仕事をしてくれる。また、優秀な手ブレ補正機能も装備しているのだからその価値はさらに大きい。

近づけば現れる心地良い「距離感」

2人にとっての心地良い「距離感」がある、と常々思っている。それは、撮る、撮られるの関係性と同じ。

寄って寄って寄りまくる。そんな印象が「藤里流」にはあるかもしれないが、実は無礼に非礼にただ近寄っているわけではない。

EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE

それには、カノジョとの呼吸、空気感、全てを感じながら自分の想い(写真の場合は撮りたい画)を伝えて近寄るようにしている。初めての撮影の時、カノジョも驚いたそうだ。

「だってそんなに近寄る写真家さん、いませんよ。でも、とても心地良く2人だけにしか撮れない写真になる、そう感じるんです」と話してくれたくらい。

それは、もはや写真家だから近寄る、という事ではなく、1人のオトコとしてカノジョに興味があるから、カノジョが好きで好きで大好きだから! の「もっと」な感情なのだと思う。

少しレンズの事を話そう。

20cmまで寄れる安心感――SP35mm F/1.8 Di VC USD

僕が操る距離感に一番近い感じがしたのが、SP35mmだった。最短20cmまで近寄れるという安心感も、軟らかでボケ過ぎない描写も藤里流にピッタリだ。

通常のスタイルだとレンズ一本勝負を挑む所だが、今回ばかりは勝手が違う。そして僕なりの「意味」を考えてみた。

SP35mm F/1.8 Di VC USD

距離感は足で稼ぐ。要するにズームは使わず、という事だ。35mmはそういう意味で言うと、一番フットワークを使うレンズ。近寄ればカノジョは大きく写る。しかしその周りにひろがる世界も割と写ってくる。離れたらうんとカノジョのいる景色が拡がる。

EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/100秒 / F1.8 / ISO500 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/1,600秒 / F1.8 / ISO400 / 絞り優先AE

僕の得意とする「デートしているという状況」(僕が「3W」と呼ぶ、いつ、どこ、なにを写したい)を入れ込むにはうってつけなのが35mmだ。

EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/400秒 / F1.8 / ISO500 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/640秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/500秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/160秒 / F1.8 / ISO800 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,500秒 / F1.8 / ISO200 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/320秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/1,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/100秒 / F1.8 / ISO200 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,500秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/500秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/3,200秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP35mm F/1.8 Di VC USD / 1/500秒 / F1.8 / ISO400 / 絞り優先AE

「ずっと眺めていたい」が表現できる――SP45mm F/1.8 Di VC USD

そして、SP45mm。これは僕の頭の中の画を表現するのに一番近いレンズだと思う。

声を張らずに取れるコミュニケーションはとても心地良い。近からずとも遠からず、という言葉がピッタリなレンズだ。滑らかなボケ感は、3兄弟の中で一番の好み。

EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/500秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/250秒 / F1.8 / ISO200 / 絞り優先AE

「35mmと45mmって、10mmしか変わらないけど何が違う?」。多くの人はそう感じるだろう。でも、味付けや使い方はやはり異なるのだから面白い。

SP45mm F/1.8 Di VC USD

45mmは「ずっと眺めていたい」と思う時間と距離を雄弁に表現してくれる。カノジョの事をなんとキレイなんだろう、なんと美しいんだろう。見惚れる時間が愛おしいと思う事は沢山あるだろう。その瞬間を切り取れるレンズだと感じた。

EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/800秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/800秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/1,250秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/6,400秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/800秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/640秒 / F1.8 / ISO400 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/3,200秒 / F1.8 / ISO400 / 絞り優先AE

王道とは違う使い方もある――SP85mm F/1.8 Di VC USD

最後にSP85mm。言わずもがな「ポートレイトの王道」と思っている方は多いだろう。しかし僕の場合には少しちがう。オイシイと思う距離から少し離れる事になってしまうのだ。

SP85mm F/1.8 Di VC USD

となると、それを逆手に取って、コミュニケーションというより「場面を切り撮る」「心情を切り撮る」みたいなカノジョの一瞬の仕草や気持ちを見守りながら切り撮る。

EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/800秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/80秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE

“写す”より、“切り撮る”というのがしっくりくる。声を張らないと取れないコミュニケーション。ならばレンズ越しで沢山話したり、ファインダーの中で愛でたりすればよい。

EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/6,400秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE

気をつけないといけないのは、ドカンとボケる性質があるので「どこで撮っても同じ」様にしない事。固定概念を覆す事ができたらとても楽しいレンズだ。もちろん、王道ポートレイトも撮ることは忘れずに。

EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/1,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/3,200秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/2,000秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/500秒 / F1.8 / ISO100 / 絞り優先AE
EOS 5D Mark III / SP85mm F/1.8 Di VC USD / 1/60秒 / F1.8 / ISO200 / 絞り優先AE

この3本ともに内蔵されているのが手ブレ補正機能。効いているな、と感じる派手な動作はなく、とてもさりげない。しかし体感で2段分くらいの補正が効いていると思う。

三脚を全く使わないスタイルなので、歩いたり、夕景の雰囲気を活かしつつのポートレイトにはもはやなくてはならない頼もしい存在だ。

「モテレンズ3兄弟」が被写体の魅力を一層引き出す

タムロンの新しいSPレンズ。存在感、所有欲を満たすレンズだが、やはり一番はカノジョに写真を見せたときの「わーー。キレイ……」とか、「うん、すごく良い感じ!」と何よりも嬉しい反応と今日一番の「笑顔」を見せてくれること。

そんな笑顔を引き出すレンズ達。やっぱり彼らは「モテレンズ3兄弟」なんだ。彼らの力をほんの少し借りて、モテてる気分を味わってみよう。楽しさこの上ない、と思う。

EOS 5D Mark III / SP45mm F/1.8 Di VC USD / 1/8,000秒 / F1.8 / ISO400 / 絞り優先AE

※「モテレンズ」とは、藤里流の表現です。モテるかもしれません、という希望を込めて。(藤里)

制作協力:株式会社タムロン
モデル:安田聖愛
ヘアメイク:鈴木祥太
撮影協力:サーファーズ

藤里一郎

男っぷりのよい写真、色香あふれる写真を撮る当世一”Hip”な写真家。大倉舜二氏に師事、96年独立。アーティスト“May J.”のコンサートツアー・オフィシャルフォトグラファーとして活動するほか、人気作家・“伊坂幸太郎”の「死神」シリーズのカバー写真を手掛け、人気女優“有村架純”と企画した写真展では5,000人を動員。写真雑誌フォトコンにてポートレイト写真で綴る「ソクド。」を連載中。2016年2月、日本写真企画刊「ポートレイトノススメ」を出版。2016年3月、May J.×Fujisato Ichiro「私のものじゃない、私の歌」写真展(於FUJIFILM GALLERY X)5月、藤里一郎+鎌滝えり写真展「21」(WONDER PHOTOSHOP)共に大盛況で幕を降ろした。

http://fujisatoichiro.wixsite.com/official