交換レンズ実写ギャラリー

ニコンAF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR

D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約16.6MB / 4,912×7,360 / 1/400秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 175mm

 望遠ズームといえば70-200mmの人気が高いが、より長い焦点距離をカバーするレンズを求める声も少なくない。ところがニコンFXフォーマットユーザーは、これまでテレ端の焦点距離が300mmを越すものとなると、未だ絞りリングを持ちAF駆動はカメラ側のモーターとする旧態然とした「Ai AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm F4.5-5.6 D ED」を選ぶか、さもなければヒトケタ異なるプライスタグの「AF-S NIKKOR 200-400mm F4 G ED VR II」を清水の舞台から飛び降りるつもりでチョイスするしかなかった。

発売は3月14日。実勢価格は27万6,600円前後

 今回紹介する「AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR」は、そのような不満を一挙に解決する望遠ズームである。

 何はともあれ、まず注目は光学系だろう。12群20枚のレンズ構成には、EDレンズ4枚のほか、スーパーEDレンズ1枚を採用する。このスーパーEDレンズはEDレンズよりも低分散特性に優れ、色収差等をより効果的に抑えるのが特徴。優れたレンズ硝材として蛍石があるが、それに迫る光学特性を誇る。ニッコールのレンズ群のなかでもこのスーパーEDレンズを採用するものは限られており、ハイスペックの「AF-S NIKKOR 200mm F2 G ED VR II」などとわずか。本レンズの描写も大いに期待できそうである。

 コーティングはもちろんナノクリスタルコートが施される。このコーティングについてはすでに語り尽くされた感があるが、特にゴースト、フレアに対し強く、その低減能力は他の追随を許さない。鏡筒のネームプレートには他の“ナノクリ”ニッコール同様、誇らしげに同コーティングであることを示す「N」のマークが入る。

 先代のAi AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm F4.5-5.6 D EDでは、フォーカシングに応じて前玉が前方に繰り出していたが、本レンズではインナーフォーカスとなったのもうれしい部分だ。描写には直接結びつかないものの、レンズとしての品位の高さを感じさせるほか、レンズが繰り出すことによる重量的なバランスの変化がないのも歓迎すべきところといえる。また、超音波モーターの採用により、スムーズで素早いAFを実現しているのも、これまでと異なる部分だ。ちなみに重量は先代より210g重い1,570g。最短撮影距離はズーム全域でAF時1.75m、MF時では1.5m。なお、テレ側にズーミングすると、従来と同様レンズは前方に繰り出す。

 描写については、期待を裏切らないものである。絞り開放での周辺光量の低下はズーム全域で少なく、1段ほど絞るとほぼ解消する。シャープネスについても絞り開放から高く、ピントが甘く感じてしまうようなこともない。むしろその鮮鋭度の冴えのよさは、倍率の高い望遠ズームであることを忘れさせてしまうほどだ。もちろんスーパーEDレンズの効果で、色のにじみは非常に少ないレベル。もちろんナノクリスタルコートのお陰で、逆光のような意地悪な撮影条件でも目立つようなフレアやゴーストの発生はほとんど見受けられず、優れた描写特性のレンズである。

 本レンズの手ブレ補正機構は、4段分(CIPA準拠)と強力だ。新たに備わったズームロックボタンも使い勝手がよく、先に紹介したAFとともに操作性は飛躍的に向上している。日常的に使用するには少々大きく重いレンズであるが、様々なシーンで撮影者の期待に応える頼もしい望遠ズームである。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約17.7MB / 7,360×4,912 / 1/640秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 135mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約11.9MB / 7,360×4,912 / 1/400秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 400mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約10.9MB / 4,912×7,360 / 1/500秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 400mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約11.5MB / 4,912×7,360 / 1/160秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 400mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約16MB / 7,360×4,912 / 1/15秒 / F32 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 250mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約17.6MB / 7,360×4,912 / 1/400秒 / F5.6 / -1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 185mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約12MB / 7,360×4,912 / 1/1,000秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 200mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約14MB / 7,360×4,912 / 1/640秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 400mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約11.2MB / 7,360×4,912 / 1/250秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 400mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約12.2MB / 4,912×7,360 / 1/250秒 / F11 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 230mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約14.8MB / 4,912×7,360 / 1/30秒 / F11 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:曇天 / 80mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約11.9MB / 7,360×4,912 / 1/1,250秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 320mm
D800 / AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6 G ED VR / 約13.8MB / 4,912×7,360 / 1/800秒 / F8 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 400mm

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。