コシナ「フォクトレンダーCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II N」
D800 / COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II N / 約9.8MB / 4,912×7,360 / 1/1,600秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO100 / 28mm |
フォクトレンダーSL IIシリーズは、コンパクトな鏡筒と比較的手頃なプライスタグを提げる単焦点のレンズシリーズだ。これまで3本がリリースされ、先頃リニューアルを果たしたばかりである。今回紹介するCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II NはSL IIシリーズの新機軸として、画角的にCOLOR-SKOPAR 20mm F3.5 SL II N AsphericalとULTRON 40mmF2 SL II N Asphericalとの間を埋めるレンズとして注目される。
ニコンD800に装着。写真のAi-Sマウント(CPU内蔵ニコン)用は5万8,800円。発売は2012年7月 |
ニコンD800に装着すると頼りないくらい小さく見えるパンケーキタイプの鏡筒だが、そのつくりは侮れない。他のSL IIシリーズ同様、総金属製で剛性感があり、フォーカスリングのローレットは精密に刻まれる。手もとに届いたのはニコンAi-Sマウント用であったが、ファインダー表示用の絞り値も含め全ての表示文字はエングレーブされており、モノとしてのつくりのよさとメーカーのこだわりを強く感じさせる。フォーカスリングの操作性も、適度なトルク感と滑らかさを併せ持ち、安っぽさのようなものは一切感じられない。絞りリングの操作感についてもフォーカスリング同様上々だ。
描写に関してはいえば、ある意味想定通りといえる。コントラストが高く、クリアな描写は単焦点レンズならではといえるものだし、鮮鋭度の高さについても同様。エッジの線の細さは、撮影した画像をパソコンのモニターでつい拡大して見たくなるほどで、D800のような高解像度のデジタル一眼レフの使用でも不足を感じさせないものである。画面四隅のわずかな部分に解像感の低下や色のにじみなどが見受けられるものの、画像を等倍まで拡大しないかぎり気になるようなことはないように思える。絞り開放時の周辺減光はやや強めだが、1段絞ると大きく改善されることを憶えておくとよい。
本レンズのメインのユーザーといえば、どちらかといえばフルサイズモデルを有するディープなカメラ愛好家かも知れない。しかし、その描写や扱いやすいさを考えると、誰が使っても楽しめるレンズである。特にAPS-Cサイズのデジタル一眼レフユーザーならば、ちょっと広めの標準レンズとして活躍してくれるだろう。また、AFしか知らないビギナーにとって、MFによるピント合わせは面倒で熟練を必要とするように思えるかも知れないが、フォーカシングへの慣れとカメラのフォーカスエイド機能を活用すればそれも杞憂だ。広角系の単焦点レンズを検討しているフルサイズのデジタル一眼レフユーザーや、使いやすい画角のレンズを探しているAPS-Cユーザーには、オススメしたい1本である。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
D800 / COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II N / 約13.7MB / 7,360×4,912 / 1/640秒 / F4 / +1EV / ISO100 / 28mm | D800 / COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II N / 約17.1MB / 7,360×4,912 / 1/500秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / 28mm |
D800 / COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 SL II N / 約19.0MB / 4,912×7,360 / 1/125秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / 28mm |
2012/5/25 00:00