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Lomography「ダイアナレンズアダプター」

〜デジタル一眼レフカメラでトイカメラのレンズが使える

「Diana Lens Adaptor」はトイカメラのレンズを装着できるマウントアダプター

 ここ数年、トイカメラブームが続いている。そうした流れを受けてか、オリンパス・ペンシリーズの「アートフィルター」に代表されるようにトイカメラ風の写真にデジタルで加工する機能を積んだデジタルカメラも増えてきた。また、実売で数千円といったデジタル版のトイカメラも登場している。いずれも、ゆるいピントや周辺光量落ちなど、トイカメラらしい描写が楽しめるというものだ。

 今回紹介するのは、Lomography(ロモグラフィー)の銀塩トイカメラ「Diana+」用の交換レンズを一眼レフカメラで使用できるマウントアダプター「Diana Lens Adaptor」だ。トイカメラといえば、フィルムを使用する「LC-A」や「ホルガ」あたりが古くから有名でファンも多い。その点Dianaはホルガのにも影響を与えたといわれているモデルとあって、ホルガに通じる独特の描写を堪能できるアイテムだ。Diana Lens AdaptorにはキヤノンEFマウント用とニコンFマウント用があり、価格はいずれも1,260円。ちなみにDiana+は、ブローニーフィルムを使用する4,800円程度のトイカメラだ。


Diana Lens Adaptor(カメラ側) 同レンズ側(右)、左はレンズ側マウント。4つの爪でレンズを固定する
カメラに装着したところ

 レンズのラインナップは、「Diana Lens+ 20mm Fisheye」(5,040円)、「Diana Lens+ 38mm SuperWide」(4,620円)、「Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup」(5,670円)、「Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto」(同110mm、4,620円)の4本。なお、Lomographyでは、4本のレンズとマウントアダプターをセットにした「SLR Adaptor & Diana Lenses Bundle」(キヤノン用とニコン用各1万8,217円)も用意している。これだと、それぞれを個別に買うよりも1割安くなる。

 なおDiana+に標準で付属するのは焦点距離75mmのレンズだが、このレンズは単体では販売していない。もともとDiana Lens+は、Diana+を持っているユーザーのための交換レンズという位置づけだからだ。

 さてDiana Lens Adaptorだが、価格も安いが造りもプラスチックでチープだ。一般的な金属製マウントアダプターをイメージしていると面食らう。だが、もちろんレンズの装着にはなんら問題ない。マウントアダプターをカメラボディ側に残したまたレンズの交換ができるので、複数のダイアナレンズを交換しながらの撮影もしやすい。

 レンズの方も、これまた元がトイカメラ用とあって高級感のかけらも無い。いずれのレンズも、プラスチックマウント、プラスチック鏡胴で、レンズまでオールプラスチックだという(銀色のカバー部分は金属製のようだ)。だが、こうしたチープさも時には楽しいし、プラスチックレンズはトイカメラならではの絵を生み出す重要なパーツだ。レンズ本体が軽量でコンパクトなのは助かる点でもある。なお、いずれのレンズもF値は不明。絞り機構はないためF値は固定となる。さほど明るいレンズでは内容だが、こうしたレンズの場合ぶれていても絵になるものだ。


Diana Lens+ 20mm Fisheye
Diana Lens+ 38mm SuperWide
Diana Lens+ 55m Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ非装着時)
Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ装着時)
Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto

 ピント合わせはどのレンズも鏡胴を回転させて行なう。鏡胴には被写体までの距離が3つのアイコンとともにプリントしてある。目盛が3カ所しかないのでアバウトだが、ファインダーやライブビューでピント合わせをすれば特に距離目盛を見なくても問題はないだろう。ピントといえば、最短撮影距離以上に近づいてピンぼけになっても、もそれはそれで面白い写真になるのがこのレンズの不思議なところだ。

 今回は35mmフルサイズのセンサーを搭載した「EOS 5D Mark II」に装着して試写した。露出計も動作するので、絞り優先AEが使用できた。作例を見ていただくとわかるが、トイカメラ独特の周辺光量低下(トンネル効果)がほとんど発生していない。Diana Lens+はもともと中判カメラ用で、6×6のイメージサークルを持っている。そのため、35mm判以下の一眼レフカメラに装着した場合はレンズ周辺部が写らないためと思われる。とはいえ、非常にソフトで滲みのある描写は健在。そのままでも大いに楽しめる。トンネル効果が欲しい向きは、画像処理ソフトで調整しても良いだろう。

大きさ比較。Diana Lens+ 20mm Fisheye(左)、Diana Lens+ 38mm SuperWide(右)、Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(下、クローズアップレンズ装着)、Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto(上) 左からDiana Lens+ 38mm SuperWide、Diana Lens+ 20mm Fisheye、Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ装着)、Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto
Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup以外はレンズ鏡胴を回転させてピント合わせを行なう。鏡胴は連続的に回転できる

 トイカメラの作品を見ていると、カラー作品では比較的彩度の高いものが好まれるようだ。使用しているフィルムに依るところもあると思う。デジタルカメラの場合、色調整機能(ピクチャースタイル、ピクチャーコントロールなど)であらかじめ好みに調節しておくと後処理が無いので便利だ。今回は、すべてピクチャースタイルの「スタンダード」で撮影している。

 どのレンズも“トイカメラ効果”は大きく、デジタルカメラで手軽にこうした写真を撮れるのは面白い。今のところキヤノンとニコンの一眼レフカメラでしか使えないが、ほかのマウント用のアダプターも揃えてもらえるとユーザーが広がると思う。特に小型ボディが売りのマイクロフォーサーズやEマウント(ソニー)用なども出ると面白いだろう。

 

実写サンプル

※作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を表示します。

Diana Lens+ 20mm Fisheye

 ラインナップ中で最も広角となる20mmの魚眼レンズ。最短撮影距離は30cm(距離目盛の表記による、以下同)。20mmとあって大変広い画角で写すことができる。被写体に近づいてデフォルメされた写真も撮れるし、空を切り取っても面白い。ほかのレンズに比べて、ピントのあった部分の写りは比較的良いようだ。

EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/160秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/50秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/100秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/60秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/20秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 20mm Fisheye / 5,616×3,744 / 1/2000秒 / -1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 20mm

Diana Lens+ 38mm SuperWide

 38mmという準広角レンズ。最短撮影距離は最短撮影距離は1m。露出が明るめだとハイライト部にかなりの滲みが出てドリーミーな描写になる。好みの問題もあるが、画角的にもスナップには使いやすかった。

EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/1250秒 / 0EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/250秒 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/25秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/80秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/60秒 / -1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 38mm SuperWide / 5,616×3,744 / 1/40秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 38mm

Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup

 標準レンズに近い55mmのレンズ。被せ式のクローズアップレンズが付属している。クローズアップレンズ無しの最短撮影距離は1mだが、クローズアップレンズを装着することで15cmまで近づける。このレンズはパンケーキ型で、ラインナップ中一番小さい(マウントアダプターを含めばパンケーキではなくなるが)。

 クローズアップレンズはネジ式ではなく、単に被せるだけのため移動中は外しておいた方がなくす心配がない。このレンズのみ、ピント合わせを鏡胴内側のリングで行なうためやや使いにくいが、1粒で2度おいしいレンズだ。

・クローズアップレンズ無し

EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/80秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/60秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/125秒 / +0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/25秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/640秒 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ無し) / 5,616×3,744 / 1/30秒 / -1EV / ISO1600 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm

・クローズアップレンズ有り

EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/800秒 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/100秒 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/25秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/320秒 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/15秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 55mm Wideangle&Closeup(クローズアップレンズ有り) / 5,616×3,744 / 1/250秒 / -1EV / ISO1600 / 絞り優先AE / WB:オート / 55mm

Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto

 トイカメラでは珍しい110mmという望遠レンズ。最短撮影距離は2m。色収差も盛大に出るタイプで、像の流れも多いようだ。圧縮効果がそれなりに現れるので、ほかのレンズとは違った雰囲気になる。望遠レンズだが、前玉が魚眼レンズのような球面なのが目を引く。

EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/80秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/200秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/30秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/80秒 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm
EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/80秒 / -1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm EOS 5D Mark II / Diana Lens+ 110mm Soft Telephoto / 5,616×3,744 / 1/100秒 / 0EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 110mm


(本誌:武石修)

2010/5/17 00:00