デジカメドレスアップ主義
新感覚リモコン付きマウントアダプター
LUMIX GH4 + EF 50mm F1.4 USM
Reported by澤村徹(2014/9/25 11:45)
マウントアダプターと言えばすぐさまオールドレンズを連想するが、昨今はムービー用途でもニーズが高まっている。フォーカルレデューサーレンズを搭載したスピードブースターはその最たる例で、他にはキヤノンEFレンズをムービー撮影可能な他社製ボディで使うマウントアダプターが人気だ。ここで取り上げるキポンのEFレンズ用マウントアダプターも、そうした製品のひとつである。
ムービー向けの製品を何故デジカメドレスアップ主義で紹介するのかというと、このマウントアダプターには絞り制御用のリモートコントローラーが付属しているからだ。昨今、付加機能付きマウントアダプターが増えているとは言え、リモコン付きのマウントアダプターは例を見ない。メーカー曰くプロムービー向けの製品ということだが、リモコンで絞り制御というスタイルはスチルユーザーでも気になるところだろう。
本製品は、EFレンズ用電子接点付きマウントアダプター、リモートコントローラー、そしてモバイルバッテリーの3点で構成されている。ご存じの通り、キヤノンEFレンズは電磁駆動絞りを採用しており、絞りリングがないためマウントアダプター経由で実絞りで撮影できない。キポンEOS-m43 Eは、こうしたEFレンズを他社製ボディで実絞り撮影するための製品だ。
使用スタイルは二通りある。簡易的に使うのであれば、モバイルバッテリーをUSBケーブルでマウントアダプターに接続し、マウントアダプター側面のダイヤルで絞り制御する。外部電源を使用するため、ボディ側のバッテリーを必要以上に消費しないで済むのが特徴だ。ただし、撮影時の絞り値は確認できないため、狙い通りの絞り値で撮るには多少慣れを要するだろう。
ふたつめはリモートコントローラーSTEF-UAを使った撮影だ。STEF-UAはUSB端子がふたつあり、一方をマウントアダプターに、もう一方をモバイルバッテリーに接続する。モバイルバッテリーの電源を入れると自動的にSTEF-UAも電源オンの状態になり、ツマミで絞り制御が可能だ。ツマミをまわすと1/3段ずつ絞りの開閉をコントロールでき、絞り値はSTEF-UAの液晶上で確認できる。また、ツマミを押し込むと絞り値のロックが可能だ。
絞り制御可能なEFレンズ用マウントアダプターはメタボーンズ製のものが有名だが、メタボーンズ製がボディ側で絞り制御するのに対し、キポン製はボディに一切触れることなくリモートコントローラーで絞り制御できる。つまり、動画撮影中に絞り制御してもブレずに撮れるわけだ。これは本製品最大のアドバンテージと言えるだろう。
今回はボディ側マウントがマイクロフォーサーズのものを選び、LUMIX GH4と組み合わせて試写してみた。三脚にカメラを固定し、チルト液晶を見ながらリモートコントローラーで絞りを調整していく。このスタイルがいかにもプロっぽくて気持ちがのってくる。外部電源を使っているので、カメラ側のバッテリー残量を気にせず使える点もよい。取り扱いショップの焦点工房によると、付属の専用モバイルバッテリーはフル充電で1日程度保つと言う。
なお、ボディ側マウントはマイクロフォーサーズや富士フイルムXマウントといったカメラ用マウントに加え、ソニーFZマウント、REDといったデジタルシネマカムコーダー用なども用意している。
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