写真展レポート
YouTuberのジェットダイスケさんが写真展をするというので話を聞いてきた
とても真面目な写真展だった
2017年5月26日 08:00
ジェットダイスケ作品展「空蝉」が、EIZOガレリア銀座で5月24日(水)より開催されている。ガジェット系の老舗YouTuberとしてお馴染みのジェットダイスケさん、作品は動画が中心かと思いきや、これがほぼ静止画で構成されているというから驚きだ。
ジェットダイスケ作品展:空蝉 - デジカメ Watch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/exhibition/1060198.html
作品は、蝉が羽化する際の様子を捉えたもので、夜中から朝方にかけ、石神井公園に通った成果が展示されている。
ColorEdgeでのスライドショーも用意されている。タイムラプスで羽化の状況を記録した作品もあり、BGMはジェットダイスケさんオリジナルとのことだ。
主な撮影機材は、α7R IIとFE 90mm F2.8 Macro G OSS。幼虫の殻を琥珀に、羽化したばかりの蟬の体表をターコイズに見立て、「アクセサリーを撮影するような感覚、ブツ撮りの感覚」で撮影した。確かに昆虫写真というよりは、生物の広告写真のような表現で、蝉の美しさに気付かされる。ライティングは意外とシンプルで、マンフロットの小型LEDライトを使用したそうだ。強い光源を当てると蝉は死んでしまうため、長時間露光の中LEDライトを緩く当てたのが、特有の表現になっている。
「ブツ撮りの感覚」といっても、撮影する相手は生き物だ。ゆっくりながらも蝉はピクピク動いており、しかも近接撮影のため被写体ブレが目立つ。ベストの状態を撮るための勘所をつかむまで、トライアンドエラーを続けたそうだ。その甲斐あって、驚くほど高解像な作品に仕上がっている。
A全判でのプリント展示もある。クリエイトのクリスタルプリントだ。目線より少し高めに配置されており、理由は「木の上の蟬を見上げるような感覚を味わっていただきたかった」から。普段画面上での表現が多いジェットダイスケさんだが、今回はリアル展示ということで、こうした三次元的な仕掛けも盛り込んみた。
ビデオグラファーとしてのキャリアが長いジェットダイスケさんだが、写真展は今回が初めて。静止画表現を始めた理由、静止画と動画の違いを聞いてみた。
静止画撮影を本格的に始めたのは、およそ2年前からとのこと。直接的なきっかけはタイムラプスの制作だが、それ以前に数々のスチルカメラマンと出会い、彼らの1枚にかける想いに魅せられたのも大きい。カット割りの概念がなく、前後で説明できない。全部の要素が1コマに揃ってなければならない……そんなところが動画との違いであり面白さだそうだ。
5月27日(土)13時〜/16時〜、6月3日(土)13時〜/16時〜には、ジェットダイスケさんによるギャラリートークが行われる。興味のある方は参加してみてはいかがだろうか。