写真展

清水哲朗写真展「NINJA〜モンゴルの金鉱山労働者たち〜」

(オリンパスギャラリー)

モンゴルには“NINJA”と呼ばれる金鉱山労働者たちがいる。金属探知機や金だらいを背負い、ツルハシを持つ姿が、アメリカンコミックにでてくる亀のヒーローたちに似ているのがその由来だ。人目を忍ぶように山奥で金を掘っている姿は日本のそれと言えなくもない。NINJAは誰かが大きな金を見つけたという噂を聞いてはその場所に群がり、警察の目が厳しくなると彼らは一斉に山を降りてしまう。実態がつかめないため正確な人数は不明だが、一説には数万人いるとも言われている。彼らの多くは遊牧民である。若い金鉱山労働者は「遊牧民なんて、皆NINJAだよ」と笑う。なぜ、そんなことをするのかと尋ねれば「遊牧民には忙しい時期とそうでない時期がある。危険を犯してでも収入を得るためには仕方がない。NINJAはツァガーン・サル(旧正月)の前が一番多いよ。客人にふるまうお土産を買うお金が必要だからね」。1992年の民主化移行から24年、高騰する物価と広がる貧富の差。地下資源豊富な草原の国にあるひとつの影を作者独自のルートを使って、密着・潜入してとらえた渾身のドキュメンタリー作品。

出展作品数:カラー作品 約40点

展示情報より

会場・スケジュールなど

  • ・会場:オリンパスギャラリー東京
  • ・住所:東京都新宿区西新宿1-24-1エステック情報ビル地下1階
  • ・会期:2016年3月25日(金)〜3月30日(木)
  • ・時間:11時〜19時(最終日15時まで)
  • ・休館:木曜日
  • ・入場:無料

  • ・会場:オリンパスギャラリー大阪
  • ・住所:大阪府大阪市西区阿波座1-6-1MID西本町ビル1階
  • ・会期:2016年4月8日(金)〜4月14日(木)
  • ・時間:10時〜18時(最終日15時まで)
  • ・休館:日曜日・祝日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

清水 哲朗(しみず てつろう)

1975年横浜市生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、写真家竹内敏信事務所で3年間アシスタントを務め、23歳でフリーランスとして独立。ライフワークとしているモンゴルでは独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。2005年「路上少年」で第1回名取洋之助写真賞受賞。日経ナショナルジオグラフィック写真賞2013ピープル部門優秀賞、2014年日本写真協会賞新人賞受賞。個展開催多数。写真集に『CHANGE』『New Type』、著書に『モンゴリアンチョップ』、世界のともだち『モンゴル』などがある。

公益社団法人日本写真家協会会員

(本誌:折本幸治)