写真展

島内治彦写真展「道をゆく~近所の肖像写真~」

(オリンパスギャラリー)

©島内 治彦

我が家の西には一本の大きな坂道があります。高校生の頃に植えた桜の木も大きくなりました。東の岡には親父自慢の畑、南には風に揺れる大きなメタセコイアの林。

北には昔、生野銀山から鉱石を運んで来た馬車道が今でも続いています。

この場所で生まれ育ち、今はここで写真業を営む私にとっては何の変哲もない風景でしかありません。

そんな生まれ育った村で朝夕、犬と一緒に写真機を持ち家族、道ゆく人や農作業をされてる合間に声をかけ、写真を撮ってきました。それこそ半径が500m程しかない小さな空間でしかありません。

中でも近所の人々が行き交う西の坂道での風景が好きです。毎日学校行き帰りに出会う中学生、90を過ぎても尚、野菜づくりに余念がない隣村の太田さん、毎週金曜日になると移動販売車に乗り、行商にやってくる中村さん。腰が曲がってるから写真は撮らんといてと言いながらもカメラの前で笑顔で立つ父と母。

いつも変わらない登場人物が移ろいでゆく季節、脈々と流れる時間の中で、暮らしと風景がたゆみない物語を紡いでいるような気がします。

そんな何気ない日常の中で、人々が歩んで行く後ろには必ず道が作られてゆくのでしょう。

出展作品数:カラー 約50点

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:オリンパスギャラリー大阪
  • ・住所:大阪府大阪市西区阿波座1-6-1MID西本町ビル1階
  • ・会期:2015年5月22日金曜日~2015年5月28日水曜日
  • ・時間:10時~18時(最終日15時まで)
  • ・休館:日曜日・祝日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1959年 兵庫県姫路市生まれ
(公社)日本写真家協会 会員
フォトストリート同人
1996年「フォトストリート20周年記念写真展」 (姫路市立美術館)参加
2007年「メキシコソノラ地上光景」 (銀座ニコンサロン 大阪ニコンサロン)
2007年「フォトストリート 30 周年記念写真展」(兵庫県立美術館)参加
2008年「記憶の中の風景」 (コニカミノルタプラザ)
2009年「TEOE 写真展」 (米国アリゾナ フェニックス市)参加
2010年「お城が見える風景」~姫路城~(コニカミノルタプラザ)
2013年「姫路城・法隆寺世界文化遺産登録20周年記念写真展」(姫路市民ギャラリー)参加
その他グループ展多数

(本誌:河野知佳)