写真展告知

上瀧由布子写真展「糸遊(いとゆふ)」

(ニコンサロン)

『糸遊』(糸遊とは晩秋や早春のころ、空中にクモの糸がゆらゆらと浮遊する現象のことを言います。)

数年前に両親が相次いで旅立ち、今は誰も住む人のいない家を月に一度訪れます。

伸びすぎた庭木の枝には蜘蛛の巣が張り、芝生には雑草が入り交じり、父母が季節の移り変わりを楽しんだ当時の面影はすっかり失われてしまいました。

その庭に独り佇むと、時の経過を感じるとともに、自分の根っこを喪失したような不安定な気持ちが芽生えてきます。

いずれは、手放さなければならないこの家も、父母の気配を感じる今はまだ手放す気にもなれず、少しずつ朽ちていく家の外壁や庭の荒れ模様に、日々のお散歩で出会う風景を重ね合わせるのです。

もしも光の指す方向に手を伸ばしてキラキラと光る蜘蛛の糸を丁寧にたぐり寄せることができるなら、何が見えてくるのでしょうか・・・。

私はそこに微かな望みを見いだしたいのです。(上瀧由布子)

モノクロ約40点。

銀座ニコンサロン 2017年3月 - 写真展 - ニコンサロン|ニコンイメージング

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2017年3月1日(水)~3月14日(火)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1966年東京都生まれ。千葉県松戸市在住。

国立音楽大学器楽部ピアノ科卒業。ピアノ教師、小中学校音楽講師を経て、2012年秋から写真家の中村 誠氏、小宮山 桂氏に師事。写真展(個展)に、16年「空せ身(うつせみ)」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)がある。ホームページ