写真展
小松透写真展「遠い渚 -a distant shore-」
(ニコンサロン)
2016年7月14日 15:00
山育ちの作者にとって海は子どものころの憧れだった。初めて海を見たのはいつだったか? 野蒜に海水浴に連れて行ってもらった時か、遠足で松島に行った時か? 大きくなったら海の近くに住もうと心に思った。今は山も海も見えないところに住んでいるが、いつもあの海を思っている。
2011年の東日本大震災以降、津波や地震の被害があった場所の木々を作者は撮り続けている。
その際にふと陸地に浮かぶ島のような岩山が気になりだした。たいていその岩山には松が育っていて、現在は陸地だが、もとは海に浮かぶ小島だったのだろうと思う。その岩山はたいてい、しめ縄が巻かれていて信仰の対象となっている。海に浮かぶ島、陸地に挟まれた島、陸に浮かぶ島。どれも興味深い対象である。陸に浮かぶ島は海から遠く隔てられても、海に浮かんでいた時を忘れていないのだろうと想像する。
モノクロ約40点。
会場・スケジュールなど
- ・会場:銀座ニコンサロン
- ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
- ・会期:2016年7月20日(水)~8月2日(火)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1969年宮城県玉造郡岩出山町(現大崎市)生まれ。94年多摩美術大学芸術学科卒業。「静物」をテーマに92年から映像作品と写真作品を制作。
主な写真展に95年「静かな生活」(リュ・プラス)、2009年「STILL LIFE」(Place M)、11年「nature morte -aprés311-」(新宿ニコンサロン)、13年「metro's」(M2 gallery、TokyoLightroom)、14年「STILL ALIVE」(Place M)、同年「EVENT HORIZON」(新宿ニコンサロン)、15年「nature morte」(Place M)がある。