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Photoshop新機能「コンテンツに応じた切り抜き」が披露

画角を狭めることなく傾きを補正 捨てられていたエリアを補間

アドビは5月31日、次期Photoshopに搭載する予定の新機能をイベント「デジタルフォト&デザインセミナー2016」で披露した。その名も「コンテンツに応じた切り抜き」だ。

新機能がお披露目されたのは、同イベントのうち「知らなければ損をする!最新アドビツールのご紹介」というセッション。

この機能は、傾きを補正した画像に対し、これまで捨てていた周囲を補間しつつ復元することで、従来方式よりも画角を狭めることなく仕上げるもの。

通常、傾き補正を加えた画像を矩形に切り抜こうとすると、どうしてもデッドスペースが生じる。傾きを補正し、切り抜いた画像は処理前より周囲が狭まる……これは仕方がないことだろう。

このたび披露された「コンテンツに応じた切り抜き」は、そうしたこれまでの概念を覆すものだ。

例えば、傾き補正するため、水平線をものさしツールでなぞる。

被写体は垂直になるが、このまま画像を矩形にする場合、周囲にデッドスペースが生じる。

結果、元画像より画角は狭くなる。

このとき、新機能の「Content-Aware Crop」(コンテンツに応じた切り抜き)を使うと……

周囲のピクセルが失われることなく(補間しつつ)、被写体が垂直になった。

他の例。斜めに撮影してしまった風景写真。

傾きを補正する。

従来方式の傾き補正+切り抜きだと周囲が削られてしまう。

「コンテンツに応じた切り抜き」では、切り捨てられるべき周囲を復元することで、傾き前の画角を保とうとしている。

これまでPhotoshopでは、「コンテンツに応じた拡大・縮小」「コンテンツに応じた移動」など、高度な画像補間を伴う自動処理機能を搭載してきた歴史がある。今回の記事はその「コンテンツに応じた」シリーズの最新機能とみられる。

イベントではPhotoshop CCへの搭載が示唆されたが、具体的な時期は未定とのことだ。

その他、このセッションでは、「パノラマ合成」「かすみの除去」など、この1年でLightroom CCやPhotoshop CCに搭載された機能が紹介された。

(本誌:折本幸治)