鈴木吼五郎写真展「鉱山、プランテーション、縫製工場」(銀座ニコンサロン)


グローバル化の進展に伴い、世界はますます近接し、複雑かつ密接に繋がっている。しかし、現実にはモノの生産、加工から流通、消費に至るサプライチェーンの具体的な現場は、私たちからより遠く、見えにくいものとなっている。

本作品は、アジア、アフリカ各国の鉱山、製造工場、リサイクル業者等と交渉し、その風景を捉えた記録の一部であり、このような写真を通して、社会構造の一端を可視化することをその目的としている。A.ザンダーの作品のような、正確な記録の積み重ねとそこに立ち上がる美が作者にとっての写真であり、それは写真の本質に向きあう作業だと考えている。

このプロジェクトは継続中だが、帰結はない。被写体に寄り添うストーリーも、作者から鑑賞者に投げかけるメッセージもない。なぜなら、作者自身のイマジネーションなどは取るに足らないものであり、対象を正面から記録し続けることこそ、この撮影の最大の意味があると考えるからである。カラー46点。

(写真展情報より)

  • 名称:鈴木吼五郎写真展「鉱山、プランテーション、縫製工場」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • 開催日:2012年11月7日~2012年11月20日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2012/10/24 00:00