ソニー「NEX-6」「NEX-5R」の発表会レポート
ソニーは30日、レンズ交換式デジタルカメラ「NEX」シリーズと交換レンズ新製品の発表会を都内で開催した。ここでは発表会の模様をお伝えする。各製品の詳細は記事末の関連記事を参照されたい。
NEX-6(右)とNEX-5R(左) |
NEX-6(左)とNEX-5R(右)。発売はともに11月16日 |
■国内はミラーレス機がレンズ交換式カメラの5割弱に
冒頭にソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の磯村英男氏が国内戦略について説明した。
レンズ交換式デジタルカメラの構成比は順調に伸びており、国内でも2012年度は前年度比138%の175万台に達するとの予想を明らかにした。うち、ミラーレスカメラは5割弱を占めるという。
ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の磯村英男氏 | 世界におけるデジタルカメラの構成比 |
国内はミラーレス機が台数ベースで5割に迫っている | ソニーは東日本大震災やタイの洪水でシェアを落とすも、現在はトップシェアに戻ったという |
ソニーは東日本大震災やタイの洪水などで供給不足がありシェアトップから一度転落したが、磯村氏によれば現在は供給体制が復活し再びトップシェアにあるという。「今回の新商品投入により、ナンバーワンポジションをより強固なものにしたい」(磯村氏)。
新モデルの位置づけは「NEX-5R」がメインストリーム機とする。一方、「NEX-6」はこれまで一眼レフカメラを使っていたユーザーなどに向けるという。「NEX-6はNEXで初めてモードダイヤルを搭載した。既存の一眼ユーザーでも使いやすいだろう。もう少し小型のカメラが欲しいというユーザーに最適。カメラらしい佇まいや使い勝手も追求した」(磯村氏)。
スマートフォンの普及によりコンパクトデジタルカメラが落ち込む中どのようにビジネスを構築していくか? との質問には「ソニーのみならず各カメラメーカーで苦心している部分だと思う。スマートフォンはカメラ機能があるので最初の段階ではそちらに流れるが、ユーザーが日常的に撮影するようになると“きれいにズームしたい”“夜景をきれいに撮りたい”“背景をボカしたい”という欲が出てくる。そこをメーカーとして情報を伝えて刺激していきたい」(磯村氏)とした。
また、Aマウント機とNEXの差異化については、「日本のユーザーを見ると、どちらが上でどちらが下ということは無いと考えている。既存一眼でも入門機的なカメラがある一方で、小型一眼でもNEX-7はかなり上級ユーザー向け。α99のユーザーがNEX-7を持っている事も多く、上下ということは無く両方訴求していきたい。既存一眼はAF速度やレンズラインナップなど一日の長があるし、小型一眼にはハンドリングの良さがある。価格もどちらかが高くてどちらかが安い、というものではない」(磯村氏)。
ソニーモバイルのスマートフォン「Xperia」ユーザーがαを使うような施策はあるのか? との質問には、「現時点で明確なものはお伝えしていないが、重要なことだと認識している。カメラのアプリも含めて今後検討していきたい」(磯村氏)と答えた。
■アプリは半年に数個のペースでリリース予定
続いて、ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 αMK課 岩井剛氏が新製品の説明を行なった。
ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 αMK課 岩井剛氏 |
新製品の「NEX-6」および「NEX-5R」ともセンサーはAPS-Cサイズで、岩井氏は「1型センサーに比べると面積で3倍大きい。暗所に強い、豊かな階調表現ができる、ぼけが美しいといったメリットがある」とセンサーの大きさをアピールした。
NEX-5Rの主な特徴 | NEX-5Rは3色を用意する |
NEX-5Rのポイント |
APS-Cという比較的大きなセンサーサイズを訴求 |
ボディカラーに合わせたNEX-5R専用ケースも用意する |
AFは、今回から像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を採用。最初に位相差AFでピント位置を検出し、その後コントラストAFで合焦に追い込む。「AF精度を維持しながら高速化した」(岩井氏)。
ファストハイブリッドAFを新たに搭載した |
今回の2機種は無線LAN経由でソニーが提供するアプリをダウンロードし、機能を拡張できるのも特徴。当初、無料アプリ4本、有料アプリ2本の計6本を提供する。それ以降に提供するアプリの詳細は明らかになっていないが、ソニーによれば、半年で数個のペースで提供していくという。種類については「ユーザーの要望を聞きながら」(ソニー)としている。
NEX-6、NEX-5Rとも無線LAN機能を搭載 |
対応アプリの種類 | アプリの一例 |
背面モニターをテレビに映したところ。「アプリケーション」のアイコンからアプリを選択できる | アプリのアイコンをタッチすると起動する |
タブレット端末などでライブビューを見ながらシャッターを切れるアプリ「スマートリモコン」のデモ。タブレット端末(スマートフォン)側のアプリはAndroidとiOS版が用意される |
「ピクチャーエフェクト+」アプリの作例 | イラスト調 |
パートカラー+。2色を選択可能になった | 有料アプリも用意する。シネマフォトは静止画の一部が動画のように動くもの |
なお、アプリに対応するのは今回の新製品以降のカメラで、従来モデルは非対応となっている。また、アプリの開発キットなどを公開する予定は無いとしており、ソニーのみがアプリの提供元となる。
各アプリはメニュー画面のアイコンから起動させるが、本体のハードキーに割り当てて起動することもできるという。
このように、NEX-5Rは液晶モニターを前面に向けることができる。その後シャッターを押すと3秒後に自動でシャッターが切れ、自分撮りが簡単にできる |
自分撮りを行なっているところ |
一方のNEX-6は、「一眼らしさ」をテーマに開発。モードダイヤルをはじめ使いやすさにこだわった。
NEX-6のポイント | 「一眼らしさ」を追求したデザインだとする |
モードダイヤルを備える |
モードダイヤルと同軸にコントロールダイヤルを備え、背面のコントロールホイールと合わせて2ダイヤル方式となっている | ファンクションボタンも活用できる |
EVFはα99と同じスペックのものを搭載した |
底面 | ポップアップストロボを内蔵する |
液晶モニターは可動式だがNEX-5Rと異なり、上方は90度までのチルトとなっている | NEX-6専用キャリングケースを用意する(ブラックのみ) |
マウントアダプターによりAマウントレンズが使用可能 | Aマウントレンズの装着例 |
Eマウントの新レンズ3本も同時に発表した。
・E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS(2013年1月発売)
従来の標準レンズよりも大幅に小型軽量化を実現した |
35mm判の焦点距離24-75mm相当 |
撮影時は自動で繰り出す | 側面にパワーズーム操作のレバーを備える。ズームリングでの操作も可能 |
・E 10-18mm F4 OSS(11月16日発売)
Eマウント初となる超広角ズームレンズで、35mm判換算15-27mm相当の画角となる |
・E 35mm F1.8 OSS(12月発売)
35mm判換算で52.5mm相当の単焦点レンズ |
■プロモーションキャラクターには北川景子さんを採用
冬商戦のプロモーション計画 | NEX-6のキャッチコピーは「究極のスピードを求めて。」 |
NEX-5Rのメッセンジャーは女優の北川景子さん |
ナショナルジオグラフィック専属カメラマンのマイケル・ヤマシタ氏がαの魅力を語るプロモーションも行なう |
「スピード編」の一部 |
そのほか各キャンペーンなども実施する。
アルティザン&アーティストのレンズケースや有料アプリのクーポンが当たるキャンペーン | Eマウントレンズ購入でプレゼントがもらえるキャンペーン(詳細は追って公開) |
第2回α cafeスペシャルフォトコンも実施する | ソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワードの受賞作品展も開催する |
2012/10/30 18:48