大阪ニコンサロン、宇井眞紀子写真展「アイヌ、風の肖像」


 大阪ニコンサロンは、宇井眞紀子写真展「アイヌ、風の肖像」を9月15日から開催する。

北海道二風谷でアイヌ女性、アシリレラ(日本名、山道康子)さんを中心に、伝統的な茅葺きのチセ(家)で、アイヌ文化を学びながら共同生活を送る人びと。そこだけタイムスリップしたような空間。1992年から約20年間にわたり、作者は娘を連れて東京~二風谷を往復し、家族のように傍らで暮らしを記録した。
アイヌ民族を先住民族と認める国会決議が採択されたのは、ほんの3年前。自分たちと違う価値観を持つ先住者を勝手に「野蛮」「劣等」と決めつけ、同化を強いて来たその考え方の根本は、正されてはいない。未だ厳しい状況の中、先祖が残した精神文化を大切に受け継いでいるアシリレラ。ファミリーの暮らしの中には、あたり前のように祈りがあった。何かを始める時、何かが無事に終わった時、皆で集まってカムイノミ(神への祈り)の儀式を執り行うこともあれば、一人で薪ストーブの火に向かって祈ることもある。
「人間の力のおよばない存在」を感じることで、人は謙虚に生きられる。共に過ごした日々から作者の心にしみてきた想い、世界観を表現した作品である。カラー約20点・モノクロ約30点。
(写真展情報より)

  • 名称:宇井眞紀子写真展「アイヌ、風の肖像」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 会期:2011年9月15日~2011年9月21日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休


(本誌:鈴木誠)

2011/9/1 00:00