オリンパスプラザ東京、柳本史歩写真展「-ed 東北の生活」


 オリンパスプラザ東京は、柳本史歩写真展「-ed 東北の生活」を7月21日から開催する。

(c)柳本史歩

日常は非常に脆いものだ。ずっと続くように思えているものが、ある時あっという間に姿形を変え、フィルムの中だけにしか残らなくなってしまう。そしてその途端、フィルムの中の様子が事実だったかどうか断定できなくなる。

3月の大地震で私が取材をしていた多くの街が姿を変えた。それは私に、私が何故写真を撮っているのかを気づかせ、確信を持たせるきっかけとなった。

私はこれまで、日本の各地域に生活する人々の姿、生活スタイルに関心を持ち、取材をしてきた。それは日常の生活の何でもない光景が連なるものだった。「何故、何でもない写真を撮るのか?」取材先でたまに聞かれる質問だが、それは今ようやく答えることができるようになった。いつなくなるかもしれないという不安や疑いを持っているからだ、と。私はこの写真展を通じ、あらためて人々の姿の日常生活を撮る宣言をしたい。そしてそこから東北沿岸の人々の苛烈とも言える生き方を記録していきたいと思っている。

今写真展は、2000年よりはじまった「アイル・ビイ・ゼア」シリーズの8回目である。

このシリーズは、日本全国の町の姿、生活の仕草を、自分の目で見たそのまま持ち帰ろうとはじまったもので、これまで北海道の幌泉郡、手塩郡、檜山郡、日高郡、青森県の下北方面、山形県の鶴岡・月山、新潟県長岡・栃尾といった地域を取り上げ発表してきた。今写真展「-ed 東北の生活」は、岩手県下閉伊郡山田町を中心に、川井村(現宮古市)、宮古市、普代村、久慈市を撮影したものを、写真とヴォイス(証言)で展開する。

出展作品数:モノクロ 約40点

(写真展情報より)

  • 名称:柳本史歩写真展「-ed 東北の生活」
  • 会場:オリンパスプラザ東京
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル1F・2F
  • 会期:2011年7月21日〜2011年7月27日
  • 時間:10時〜18時(最終日15時まで)
  • 休館:日曜・祝日

(本誌:折本幸治)

2011/7/7 00:00